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今古学考巻下02-03

02.許君、今古に于いて互に取捨有りと雖も、漢制の為に縁飾するに過ぎず。各経の家法に至りては、其の別行を聴し、之を牽合するを欲せざるなり。明堂の説の如き、許案じて云ふ、「今礼・古礼、各々其の義を以て説くも、明文以て之を知る無し」と。又、公羊・左氏、朝聘を説くこと同じからざれば、許案じて云ふ、「公羊の説は虞夏の制、左氏の説は周の礼。伝に曰く、『三代物を同じくせず』と。明らけし古今説を異にすること」 *と。是れ許今古同じからざるを以て、混通を欲せざるなり。又、諸侯夫人の喪、公羊・左氏説を異にす。許案じて云ふ、「公羊の説、同盟の諸侯薨ずれば、君は葬に会し、其の婦人薨ずれば、又葬に会す。是れ国政に遑あらずして、常に路に在り。公羊・左氏の説、倶に同姓・異姓を別たず。公羊の当に会すべしと言ふは、以て同姓と為すなり。『左氏』の当に会すべからずと云ふは、異姓に拠るなり」** と。是れ許今古各据る所有るを以て、強いて同じきを欲せざるなり。其の余条に至りては、或は左氏に従ふと云ひ、或は『周礼』に従ふと云ひ、亦た自ら一尊を定め、含混を欲せず。鄭氏の書を著すに至りては、乃ち全く此の意に反せり。

*『礼記』王制疏引異義。
**同上。

03.『異義』久しく亡ぶ。今、陳氏 の輯本に就きて之を考ふるに、存する所将に百条に近からんとす。今と今と同じく、古と古と同じく、各朋党を為し、互相に難詰す。其の門戸の原異なるを以て、故に相岐るるを致すなり。中に惟だ三条のみ古と今と異なる〔同じき〕(校)者あり。穀梁の「葬は雨の為に止めず」と説くは、尊卑を統べて言ふ。左氏は「庶人雨の為に止めず」と説き、公羊は「雨ふれば葬むる克はずとは、天子・諸侯を謂ふなり。卿大夫は臣にして賤しければ、雨ふるを以て止む能はず」*と説く 。此れ公羊、古学の言を参用するなり。公羊は「臣子先に死せば、君父之に名づく」と説き、左氏は「既に没すれば、字を称ひて名いはず」と説く。許以為へらく穀梁は左氏に同じと** 。按ずるに此れ皆後師附会の説にして、経伝に于いて明文無く、同異に今古の礼制に関はる者無きなり。又、魯詩を引きて説く、丞相匡衡以為へらく「宗廟宜しく毀つべし」と。『古文尚書』説く、「宗廟毀たず」と。許、公羊の御史大夫貢禹の説に拠るに、『古文尚書』の毀たずと同じと*** 。按ずるに毀つと毀たざるとは、経に其の証無ければ、凡そ此の同じ所、皆な明拠無く、大綱に至りては、或は参差無きなり。

(校)全集は上文「今与今同、古与古同、各為朋党」を根拠に「異」を「同」に改む。本条後半の内容から判断して「同」の方が適切と思われる。
* 『礼記』王制疏引異義。
** 『礼記』曲礼下疏引異義。
*** 『毛詩』商頌・烈祖疏引異義。

なお冒頭の「陳氏」は陳寿祺のこと。

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今古学考巻下01

今古学考巻下

旧て今古学三十論目を擬し、条して之を説かんと欲するも、倉卒にして未だ撰述する能はず。謹みて『経話』 の中に就いて其の今古学を論ずる者を取り、以て此の巻を為す。中に未定の説多ければ、続解有るを俟ち、再び補正に従はん。


01.今古二派、各自ら家を為せば、水火・陰陽の如く、相妨げ相済り、原より当に其の別行を聴し、必ずしも強ひて混合を為さざるべし。許君の『異義』は本と『石渠』『白虎』の如く漢制の為に作れり。今古の中に于いて其の漢制と相同じき者を択び、便を以て事に臨み経義を縁飾せんと欲す。故に累ねて漢の事を引きて断を為す。又、叔孫通の礼を制す云々*と言ふは 、皆な行事の計を為すのみ。書の並行して、両つながら相背かざらしむに至るは、則ち之を混同するを欲せざればなり。鄭君の『異義』を駁せる時、猶ほ今古の同じからず、各自ら家を成すを知るも、撰述に至りては、乃ち斯の旨を忘る。古『周礼』に注しては「王制」を用ゐ、『毛伝』に箋しては『韓詩』を用ゐ、古文『尚書』に注しては夏侯・欧陽の説を用う。夫れ経を説くの道は、礼を議すると同じからず。礼を議するは以て古今を斟酌し、善を択びて従うべし。経を説くは則ち当に家法を墨守すべし。疑ふべき有りと雖も、改易し、更に別家に据り説を為す能はず。今、古学に注するに、乃ち兼ねて今学の長有らんと欲し、今を採り古を易ふは、正に相者の一人の耳目の好からざるを嫌ひ、乃ち別人の耳目を割き之を補ふが如し。惟だ功無きのみならず、且つ過ちを見はせり。鄭君をして作注の時猶ほ『異義』を駁せるの見を存せしむれば、則ち今古を分別し、先師の法尽く絶ゆるを致さず。乃ち前後轍を異にし、今古の派をして遂に漢末に至りて絶えるに至らしむるなり。惜しいかな。

*『礼記』哀公問正義所引許慎異義。

手元にしかるべきテキストもないので、とりあえず『廖平全集』第1冊所収本を用いた。
冒頭の但し書きは、原文も字下げで記されている。
素人の所為なので誤読の類は多々あると思う。指摘いただければ改正したい。

五経異義疏証も手元になかったか。改めて当時と環境が変わったことに愕然とさせられる。しかしまぁそれはそれでいいのかもしれない。やはり昔人のごとく書物は暗記するのが一番なのかもしれない。

廖平全集の備忘録

廖平全集のこと。いくつか気付いた点があるので、忘れないようにメモっておこう。以下、たまに書き足すかも知れない。


大半の写りは良いが、稀にインクがにじんだような頁があり、やや残念。ただし識字に難はないので、気にするほどでもない。

廖平の春秋三伝に対する体系的な注釈書。
・穀梁春秋経伝古義疏
・公羊春秋経伝験推補証
・春秋左氏古経説義疏
この三つの整理の仕方が違っていた。校点者が違うためなのか、それとも全集の編集方針の為せる業なのか。穀梁古義疏と左氏古経説はインデントをとるのに対して、公羊補証はインデントをとらない。公羊補証の方が経の注釈としては読みやすい。

王制訂が読みやすくなった。王制訂は、『礼記』王制の本文を経・伝・注・疏に割裂した書物で、経に対して伝は1文字、伝に対して注は1文字、注に対して疏は1文字だけ、それぞれ行頭に空格を置き、一目で経伝注疏の区別が明らかなように作っている。王制訂は以前の『廖平選集』にも王制訂は収録されていたが、インデントをとっていたので、経伝注疏の配置の妙がくずれ、読みづらいことこの上なかった。今回の全集ではインデントが省かれており、原文の読みやすさが反映されている。すばらしい。漢籍にインデントはいらん。いや、論文系のものはあると便利だけど、経書関係のはない方がいいことが多い。

六訳館叢書の今古学考の最後に春秋天子二伯方伯卒正附庸尊卑表というのがある。全集にもないので、おそらく別のものがくっついているのだろう。全集のすべてに目を通せば、これが何者かわかるのだろうか。

当然のことながら、六訳館叢書に収録されていた廖平以外の著作物は、全集では省略されている(光緒会典も省かれている)。が、「六訳館外編」は収録されている。また井研芸文志も収録されている。

こういうのは巴蜀書社では出さないのね。孟文通全集は巴蜀書社っぽいのだけど。

廖平全集の目次

廖平全集を買ったので備忘録がてらに各冊の目録を記しておく。
『廖平全集』全16冊、上海古籍出版社、2015年。舒大剛・楊世文(主編)
縦組・繁体字。

○印は六訳館叢書未収のもの。
▲は特定の六訳館叢書には収録されているもの。

群経類
今古学考
古学考
経話
知聖篇
知聖続篇
経学初程……以上、第1冊
群経凡例
群経大義
群経総義講義○
尊経書院日課題目○
経学六変記
尊孔篇……以上、第2冊
倫理約編
孔経哲学発微○
皇帝大同学革弊興利百目○
世界哲理箋釈
家学樹坊

周易類
易生行譜例言
四益易説
易経古本
易経経釈○
貞悔釈例○……以上、第3冊

尚書類
書経大統凡例
尚書今文新義
書尚書弘道編
書中候弘道編
書経周礼皇帝疆域図表
経伝九州通釈○……以上、第4冊

詩経類
四益詩説
詩経経釈○

三礼類
王制訂
王制集説
分撰両戴記章句
礼記識
礼運礼器郊特牲訂
大学中庸演義
坊記新解
容経浅注○
周礼訂本略注
周礼新義凡例▲
周礼鄭注商榷……以上、第5冊

春秋類
穀梁春秋経伝古義疏○……第6冊
公羊春秋経伝験推補証……第7冊
春秋左氏古経説義疏
春秋左伝杜氏集解辨正○……以上、第8冊
起起廃疾
釈范
何氏公羊解詁三十論
擬大統春秋条例
左伝古義凡例
五十凡駁例○
左伝杜氏五十凡駁例箋○
箴箴左氏膏肓○
左氏春秋考証辨正○
左伝経例長編○
春秋図表
春秋三伝折衷……以上、第9冊

雑著類
地球新義(戊戌本)○
地球新義(丙子本)○
六書旧義
文字源流考○
荘子経説叙意
荘子新解
墨辯解故序
楚詞講義
楚詞新解
会試硃巻……以上、第10冊
游戯文○
四益館雑著
四益館文集
集外文○……以上、第11冊

医書類
隋本黄帝内経明堂
内経平脈考
診皮篇補証
診筋篇補証
診骨篇補証
診絡篇補証
人寸診補証
分方異宜考……以上、第12冊
三部九候篇
営衛運行楊注補証
霊素五解篇
瘧解補証
脈学輯要評
脈経考証
傷寒総論
傷寒古本訂補
傷寒雑病論古本
傷寒古本考……以上、第13冊
傷寒平議
傷寒講義
仲景三部九候診法
薬治通義輯要
難経経釈補証
巣氏病源補養宣導法
真蔵見考○
素問霊台秘典論篇新解……以上、第14冊

術数類
地理辨正補証
地学答問
漢志三統暦表
撼龍経伝訂本注

附録
四訳館外編
六訳先生年譜
六訳先生年譜補遺……以上、第15冊
六訳先生追悼録
伝記与評論
井研芸文志……以上、第16冊

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HN:江藤清通
かつては春秋学・宋代史・南学(秦山関係)関係の記事を中心に書いていました。最近は開店休業状態で、数ヶ月おきに思いついたことを書いてます。

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