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読書

電車に乗る時間がそこそこあったので、少し本を読んだ。

働かないアリに意義がある (メディアファクトリー新書)

ひところ有名になった話でもあり、驚くようなものではないが、なるほど働かないアリの意味とか、アリの生態とか、ほー、なるほどそういうこともあるのねー、という感じで読み物としてはおもしろかった。もっとも、たまに我等人間社会に対する発言が挿入されているところがあり、著者としては立派な提言をしたように書いてあるのだが、これはあまりいただけなかった。専門家は専門家としての発言に徹して欲しい。経済や法律を語るなら、それの専門家がやった方がいい。というより、その程度のことは専門家であれば誰でも考えているだろう。

『孫臏兵法―もうひとつの『孫子』 (ちくま学芸文庫)

これは大昔に買ったまま適当に読んだ本。というか、たしか単行本で発売されたときに読んだような気がする。今はもう金谷先生もお亡くなりになってしまったが、さすがに解説は手堅く、論敵に対する礼儀も忘れていない。新しいものが出てきたからといってすぐに孫武と孫臏を分けるのではなく、書物の保存状態や内容を冷静に吟味していこうという姿勢は、結果の当否に関わらず、読む者に安心感を与えてくれる。

孫臏兵法に対する現在の研究はよく知らないし、金谷先生の疑問が正当なものか否かもよく知らないが(というか、むりやり思想的に解決しようというのは、私はあまり好きではないが)、これくらい手堅くものを考えてくれると、読んでいる方もプロの発言として大いに敬意をもつことができる。別にむかしの学者が偉大だったと言うつもりはさらさらないけども。

いや、優れた学者に敬意を示すのは当然のことだし、むかしの著名な学者でもどーでもいい研究をしていた奴には何の敬意も払う必要もない。

フォールト・ラインズ 「大断層」が金融危機を再び招く

世界に走っている断層が世界を不安定にするということで、その断層をあれこれ検証している。私がああだこうだ言っても的外れにしかならないから、ちょっと見当違いな感想を書いておくと、朱子学的な世界観からすれば世の中はつねに不安定だから、安心立命の地を心の外に求めても意味はなく、断層があるから不安定なので断層を取り除こうにも、取り除いたさきにもまた断層が生まれるだけのことで、どこまでいっても不安定でしかない。......もちろん本書はそんなことを言いたくて書かれたものでないのは当然にして、その程度のことはいちいち文句を言ってもらわなくても誰でも分かっているだろうが。

エネルギー論争の盲点―天然ガスと分散化が日本を救う (NHK出版新書 356)

悪いけど本書の前半は哲学的だかなんだかという「深い議論」が書かれているのだが、悪いが人間の世界にエネルギーが必要だとか、エネルギーの消費量が増えて生産が増えたとか、そういうことは誰でも知っているので、あまり頁を割いてもらいたくはなかった。それと本旨とは関係ないが、左翼的だとか、イデオロギー的だとか、そういう表現を安易に使われると、著者の人間的厚みを疑わせることにもなるので、もったいない気はした。そういう表現を使わなくても、その手のイデオローグが世間の鼻つまみ者になっているのは論を待たないと思う。とはいえ、天然ガスのことはよく知らなかったので、それなりに勉強になった。まぁ天然ガスのことをよく知らない人間が読んだわけだから、おのずと天然ガスに対する他の議論を知るはずもなく、したがって本書の当否はいうまでもなく分からない。

余計なことを書いておくと、著者が「真摯な学問的態度」で論述すれば、その本心がいかに凶悪なものであれ、他の論客の発言を待つことなく、素人をなんとなく正しいような気にさせることはできる。が、左翼的だとかイデオロギー的だとかいう言葉を気楽に使う本書であればこそ、本書の主張がいかに正しくとも、それを信じるに躊躇せしむるものを読者に与える。その意味では本書は他者の書物を読んでその真偽を確かめようと思わせるわけだから、良い本なのかも知れない。いや、悪い意味ではなく。


ネットだから一見わかりやすい翻訳がいいのかと思ったが、やはりおもしろくなくても正確で良心的なものの方がよいような気がしてきた。そんなものを作っても誰にも評価されることはないだろうが、結局は素人まがいの粗雑なものが量産されても信を措きがたい(別に学者のものが信頼できるという意味では全くない)。信頼できるものがネットにでまわるのは、日本の場合、あったとしてもかなり先のような気もするが、そういうのが出てくれば、もう粗雑なものは用済みだろう。そういうときでも生き残るものをと思えば、やはり正確で良心的なものでなければならないような気がしてきた。もっともそういうのを作るのが楽しいかと言われると、容易に首肯できないのだけども。

むかしは宋代の長ったらしい文章が好きだったが、古代の短い格言も悪くないと思うようになってきた。ということで、説苑あたりを読んでみたりしたのだが、これって完全な現代語訳はないんですな。もっとも説苑は類似の説話があちこちの先秦文献に散らばっているので、説苑そのものの訳本はなくとも、中国古典が好きでいろいろ訳本を読んでいる人からすれば、本文のほとんどを結果的に読んだことになりはする。説苑というと新序にも全訳はない。これはちと長いから仕方ないか。

と思ったら、公田連太郎訳註の『劉向説苑』というのがあるらしい。なんとなく書き下しのような気もするけど。

そういえばハヤテのごとくの映画がやってる。見に行きたいな。

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かつては春秋学・宋代史・南学(秦山関係)関係の記事を中心に書いていました。最近は開店休業状態で、数ヶ月おきに思いついたことを書いてます。

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