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漢文学習必携

漢文学習必携(京都書房)というのが売っていた。句法の説明や重要漢字(虚辞のこと)といったものを解説した副読本のような本だが、副読本は市販していないことが多いので、もしかしたら教科書・参考書の分類上では、少し違う本なのかも知れない。まぁそれはどうでもいい。いずれにせよ副読本のようなものだった。

この本は兵庫県の高等学校教育委員会が作ったもので、内容的にも高校漢文に必用なものがコンパクトに収まっているように感じられる。たぶん受験漢文にも役立つだろう。もちろん古典としての中国古文の読解にはほとんど役に立たないが、これは目的が違うので仕方ないところだと思われる。。

で、総じて内容はいいと思うのだが、1つ気になるところがあった。それは「所」(~する所の)の解説で、この本によると、「所の下の同士が他動詞の場合」は、「所によって導かれる名詞句は、その他動詞の目的語を示す」もので、自動詞の場合は、「自動詞の補語」になるらしい。

この解説の当否はともかくとして、自動詞とか他動詞とかいうのは、どこで判断するのだろうか?もし「所A」とあった場合、そもそもAが動詞であることをどうやって判断するのだろう。よしんばAが動詞であったにせよ、それが自動詞であるか他動詞であるかは、Aだけでは分からない。もし分かる人がいるとすれば、それは文法的機能を理解する前に「所A」の意味が分かっている人に限られるのではないだろうか。だとすれば「所A」の解説は釈迦に説法になる。

この本の意図するところを推し量れば、おそらく「送りがな」の状態で判断するということなのだろう。送りがながあれば、それが動詞であるか否かは判断できるし、自動詞と他動詞の区別も可能なことも多いだろう。しかしそれはあくまでも送りがながあればということであり、漢文を読んだことにはならない。やはり送りがなを利用せず、所の用法を説明しなければならなかったのではないかと思いもする。高校漢文では送りがなはあるものなのかもしれないが、それに準拠しているらしい受験漢文で、送りがななしの問題がでるらしいから(立ち読みした参考書の問題にそういうのがあった)、やはり送りがなありきの説明はよろしくあるまい。

その他、これと同じような印象は返読文字(下から返って読む漢字)にも感じた。例えば「可」は返読文字ということになっているが、これは「すれば可なり」というように、下から返ることのない場合もある。返るのは「べし」の意味の場合である。だとすれば「可」が返読文字なのではなく、「べし(可)」が返読文字でなければならない。

......と、いろいろ書いてみたが、どのみち漢文は消えるのだから、どうでもいいといえばどうでもいいことであった。まぁ全体的には綺麗にまとまった本だと思うので、ふつうに使うには良い本だろう。

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