スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

白箸翁傳

白箸翁傳

中納言紀長谷雄卿

貞觀の末、一老父有り、何人なるやを知らず、亦姓名を得ず。常に市中に遊び、白箸を賣るを以て業と為す。時人號して白箸翁と曰ふ。人皆相壓ひ、其の箸を買はず。翁自ら知るも、以て憂と為さず。寒暑の服、色變ぜず、其の形を枯木のごとくし、其の跡を浮雲のごとくす。鬢髪は雪の如く、冠履は全からず。人如し年を問はば、常に自ら七十と言ふ。時に市樓の下に賣卜する物有り、年八十なるべし。密かに人に語りて曰く、「吾嘗て兒童たる時、此の翁を路〔洛〕中に見れり。今と異なる無し」と。聞く者恠めり。疑ふらくは其れ百餘歳の人か。然れども持性寛仁、未だ曾て喜怒の色を見さず。放誕愼謹、時に隨ひ定まらず。人或は酒を勸むれば、多少を言はず、醉飽を以て期と為す。或は日に渉りて食せざるも、亦飢色無し。滿市の人其の涯涘量り知るを得ず。後頓に病みて市門の側に終ふ。市人其の久時相見に哀れみ、尸を移し東河の東に埋めしむ。後二十餘年に及び、一老僧有り、人に謂ひて云ふ、「去年の夏中、南山に頭陀せしとき、忽ち昔翁の石室の中に居り、終日香を焚き、法華經を誦するを見たり。近づき相謁して曰く、『居士恙無きや』と。翁咲ひ答へず去る。亦相尋ぬるも遂に在る所を失せり」と。余轉た此の言を聽き、猶虚誕を疑へり。然れども梅生死せず、松子猶生ずこと、古より既に有り。全く責むべきこと難し。亦恐らく消沒して世に傳はらず。故に聞く所を記し、來葉に貽すとしか云ふのみ。

『群書類従』巻第六十四

本朝文粋にもあったらしい。そっちを見ればよかった。

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
プロフィール

awatan

Author:awatan
HN:江藤清通
かつては春秋学・宋代史・南学(秦山関係)関係の記事を中心に書いていました。最近は開店休業状態で、数ヶ月おきに思いついたことを書いてます。

自営サイト
最近の記事
カテゴリー
リンク集
全記事表示

全ての記事を表示する

FC2カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。