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王時槐集

前に紹介した「王時槐集」を入手したので、その感想でも書いておこう。むろん古典の読書の友として、という程度の感想であって、研究の資料に堪えられるかというのは、もとより埒外の話である。

「王時槐集」は以下の4部から成っている。
1.友慶堂存稿
2.友慶堂合稿
3.自考録
4.広仁類編

基本的に大陸の版本を用いているらしいが、2.友慶堂合稿は一部に存目叢書所収本を底本にしたらしい。1.と2.は一部の重複を除き、基本的に別系統の本で、収録文章もかなり異なる。3.は民国時代に出版されたらしいが、限定出版だったらしい。大陸のほか、九州大学の楠本文庫にも所蔵とのことだが、楠本文庫は九州大学にないので、なにかの間違いだろう。(楠本は楠本正継のことだろうから、楠本先生にまつわる九大の文庫か、あるいは国士舘にある楠本文庫だと思う。手元に目録はないので詳細不明。)

編者の編集説明と目録、内容から考えると、1.友慶堂存稿は公的なものが多く、2.に未収録の公移を多数含んでいる。2.友慶堂合稿は思想的なものが多い。3.自考録は年譜ではないが、王時槐の回想記的なもので、王時槐の思想を考える上で興味深い記事が多い。4.広仁類編は古典から仁的行為をおこなった人の逸話をもちよったもの。四庫提要の評価がおもしろい。

編者によれば、1.友慶堂存稿と2.友慶堂合稿ともに、王時槐の全集ではなく、それぞれの編集目的にそって作られたものだとのことであり、どちらが先行するかも現時点では断定できないとのことであった。ちなみに現行本では、会語は2.に収録されており、1.には収録されていない。また1.は王時槐が生前編集していた同名の「友慶堂存稿」とは別物で、後人が王時槐の編集物を集め直したものだという。

やはり一番おもしろいのは自考録だと思うが、それ以外も日本ではなかなかお目にかかれなかった1.友慶堂存稿を読めるようになったのは、ありがたいはなしだと思う。まぁ、わたしが王時槐の著作を精読することはないが、ぱらぱら読むぶんには楽しいだろう。というよりも、彼の著作を読んでも、変態的な朱子学者には見えど、陽明学者に見えないところがおもしろい。

そういえば書虫に張元忭集が写真つきで紹介されていた。もう発売されていたようだ。

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