スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

春秋五伝

かつて漢代には春秋五伝というものがあったそうである。
五伝とは,五つの伝の意で,伝とは春秋とよばれる経書(聖書のようなもの)の解釈書という意味である。

この五伝,公羊・穀梁・左氏の所謂春秋三伝に,鄒氏と夾氏を足したものが,それにあたる。
  • 春秋公羊伝
  • 春秋穀梁伝
  • 春秋左氏伝
  • 春秋鄒氏伝
  • 春秋夾氏伝
というわけである。

このうち三伝は後世に伝わり,現在でも本文が残っている。ところが鄒氏と夾氏の二伝は消えてしまった。いや,そもそも夾氏伝は文字にすら写されなかったらしいのである。

では鄒氏や夾氏はどんな学説だったのだろうか?なにか調べる方法はないのか?

『漢書』巻72の王吉伝に云う:

初,吉兼通五經,能為騶氏『春秋』,以『詩』『論語』教授,好梁丘賀説『易』,令子駿受焉。

文中の「騶氏春秋」は「鄒氏春秋」であろうというので,王吉は春秋五伝の中の鄒氏春秋を伝えていたのだという学説がある。

また同じ王吉伝には,王吉の発言として:

春秋所以大一統者,六合同風,九州共貫也。

とある。ここから推測すれば,春秋鄒氏伝は大一統の思想を伝えていたらしく,公羊伝と類似した学説ではなかったか,という大胆な推測も立てられる,という。

この鄒氏伝,『漢書』によると,書物はあったが経師(先生)はいなかったらしい。しかし上の推論が正しいというなら,全く学ばれていなかったわけではないらしい。

しかしながら,鄒氏と夾氏,両者ともに後世伝わらなかったとはいえ,当時にあっては鄒氏は書があり,夾氏に書はなく,現在にあっては,鄒氏はわずか十数文字の学説が伝わり,夾氏は一つとして明らかにならない。

わずかとはいえ,何からなにまで夾氏伝は鄒氏伝に負けっぱなしというわけだ。しかしこのわずかな差が,両者の差を決定づけたとも言えるだろう。恐らくや権勢家が鄒氏でも夾氏でも使って政治をすれば,完本は残らずとも,断片はもっと残っただろうに。

ちなみに私は春秋五伝の名前を知ったとき,まっさきに夾氏伝に興味を持った。

スポンサーサイト

テーマ : 読書メモ
ジャンル : 本・雑誌

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
プロフィール

awatan

Author:awatan
HN:江藤清通
かつては春秋学・宋代史・南学(秦山関係)関係の記事を中心に書いていました。最近は開店休業状態で、数ヶ月おきに思いついたことを書いてます。

自営サイト
最近の記事
カテゴリー
リンク集
全記事表示

全ての記事を表示する

FC2カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。