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李明復『春秋集義』

李明復に『春秋集義』という本がある。これは一見,南宋時期の春秋経解の書物に類し,多くの学説を集めた資料集的書物に見える。しかしこの書が他の資料集的書物と決定的に異なるのは,本書に収めた学説がすべて程門関係の解釈だという点である。

程頤や胡安国の学説が入るのは当然にして,中には『程氏学』(引用部分は劉絢の春秋解釈)のような珍しい書物があるほか,謝諤の解釈が全文引用されているという特徴がある。四庫本では少しく節略されたと思われるところ――攘夷説の若き――もあるが,ほとんど全文が残っているのは,頼もしい話しである。いわば本書は「程門の春秋大全」といったところである。

ちなみにこの『春秋集義』の冒頭には,附録的な史料が含まれている。常識的な史料も多いが,程頤やその弟子達の学説の伝来や,他の史料では確認できないものも含まれている。これも本書を利用する上での特点の一つとなるだろう。

もっとも,本書の春秋の解釈書としての価値は絶無に近い。それもそのはず,程門の解釈など春秋解釈の中では限りなく無価値に近いからである。そんなものを拾い集めてこられても,ゴミを一生懸命集めました,というくらいの価値しかない。

こんなのもありました的な話しをするには便利な本であるが,価値的にはあくまでもその範圍に落ち着かざるを得ない。もちろん,こんなものを使って南宋期の春秋学の状況を調べるなぞは,無謀も甚だしい。残念ながら(幸運にも?),レベルの高い学者は,こんなものは見ないのだ。

ちなみに,いないと思うが,こんな知識は専門家なら誰でも知っているので,偉そうに吹聴すると恥をかくので要注意である。

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かつては春秋学・宋代史・南学(秦山関係)関係の記事を中心に書いていました。最近は開店休業状態で、数ヶ月おきに思いついたことを書いてます。

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