スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

四庫提要(春秋類)000

追記(2009/03/15):以下の翻訳はこちらのページ(別館:公孫樹内)に訳し直しました。

経学家に門戸の見が生じたのは春秋三伝からだが,それでも結局は世に並び立つことができた。その間,諸儒の議論は,中唐以前は左氏が優勢で,啖助・趙匡から北宋までは公羊と穀梁が優勢だった。孫復や劉敞らは「伝を棄てて経に従う」と言いはするが,棄てたのは左氏の事迹と公羊・穀梁の日月の例だけである。彼らは譏貶の意を押し広げ,許すこと少なく,譏ること多かった。これは公羊・穀梁のやり方をまねたものである。ちょうど析を誅殺するのに〔析の作った〕竹刑を用いたようなものである。そもそも事迹を削って如何にして是非を判断するのだろうか。証拠もなく〔是非を〕判断するのでは,春秋を占いに見立てるに等しい。聖人は人の過ちを禁じるが,人の善事を褒めもする。まして経典には称讃が少なくないのに,筆を手に文を綴っては,あらゆる人間に筆誅を加えている。春秋は無辜を罪に陥れるとでもいうのだろうか。「夏時を用いて正朔を改めた」や,「尊号を削って天王を貶じた」というに至っては,春秋はこれほどに僭乱なのだろうか。波に沿うて返らず,この種のものは世に広がり,旧説が流伝しても廃れてしまうことはなかった。このため〔春秋類の編纂に於いては,〕解釈が適切で根拠があり,平易で道理にかなうものを採用基準とした。欠点と美点が互いに存在する場合は,是非を明らかにして〔本文を〕残すことにした。空談や臆説を行い,私意でもって聖経を乱すものは,書名のみを残すことにした。六経の中,易はあまねく道理を包む故に,あらゆる物事を解釈することが可能であり,春秋は事実をことごとく備えているが故に,人ごとに解釈を立てることができる。このため一知半解に陥り,議論が生じやすく,著作の豊富なこと二経を最多とする。だから採用には細心の注意を払わねばならぬのだ。

『四庫全書総目提要』巻26(春秋類)


○本文,『四庫全書総目提要』春秋類に冠された案語。
中唐以前則『左氏』勝:必ずしも然らず。
啖助趙匡以逮北宋則『公羊』『穀梁』勝:必ずしも然らず。
孫復劉敞之流:孫復・劉敞ともに宋代の代表的経学者であり,また宋代春秋学の先駆者でもある。ここでは宋代春秋学の代表者として扱われている。
棄傳從經:春秋学の立場の一つ。宋代で流行した。春秋経文の理解に際し,三伝の解釈を排除し,経文のみからその意味を理解しようとする姿勢を指す。清代以後,ぼろくそに批判された。
公羊穀梁月日例:月日例は春秋学の解釈法の一つ。日月の例や時月日例と呼ばれる。公羊傳と穀梁傳,特に穀梁傳と何休注に頻繁に現れる。経文に時(四時/四季)や月や日が記されるか否かで,襃貶の意味を判断するもの。宋代に徹底的に批判された。
用夏時則改正朔:いわゆる夏時説のこと。夏時説の提唱は程頤に繋るが,著名なのは胡安国の「夏時を以て周月に冠す」という学説。学説に矛盾を含み,またそれ自体複雑怪奇のため,南宋から明朝初期の学界に一大論争を巻き起こした。しかし清代に胡安国の根拠が突き崩され(偽古文尚書を根拠としていたので),ぼろくそに批判され,宋代の春秋解釈で最も恥ずかしい解釈の一つに数えられるようになった。簡単に言うと,東西南北の方角が常に一定であるように,春夏秋冬の寒暖も常に一定であるはずだから,春はいつでも春で,夏はいつでも夏で……という学説。随って夏正・殷正・周正の三正説を否定した。古典的なものでは,明初期の張以寧『春王正月考』,清朝の呉鼐『三正考』が夏時説否定の最有力学説として知られる。
削尊號則貶天王:春秋経文は周王のことを通常「天王」というが,まれに「王」という。この理由について,孔子が天王を譏って,「天王」から「天」の字を削ったのだという解釈を指す。これについては,「孔子は匹夫のクセに,エラそうに周王にケチをつけてイイのか?」というもっともらしい批判があり,四庫官はこの考えを採用したのであろう。

スポンサーサイト

テーマ : 読書メモ
ジャンル : 本・雑誌

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
プロフィール

awatan

Author:awatan
HN:江藤清通
かつては春秋学・宋代史・南学(秦山関係)関係の記事を中心に書いていました。最近は開店休業状態で、数ヶ月おきに思いついたことを書いてます。

自営サイト
最近の記事
カテゴリー
リンク集
全記事表示

全ての記事を表示する

FC2カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。