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四庫提要(春秋類3)049

追記(2009/03/15):以下の翻訳はこちらのページ(別館:公孫樹内)に訳し直しました。

兪皐『春秋集伝釈義大成』12巻

○内府蔵本

元の兪皐の撰。皐,字は心遠,新安の人。むかし郷里に趙良鈞なるものがおり,宋末に進士に合格して修職郎・広徳軍教授を授けられたものの,宋が滅んでからは〔元に〕仕えず,郷里で春秋を教授していた。皐は良鈞に学問を受け,その学説を奉じて本書を著した。

〔本書は〕経文の下に三伝を配置したものだが,胡安国の『春秋伝』も同列においている。呉澄の序文には,胡氏のものを三伝と並置したのは,当今の好評によるものだと言っている。そもそも四伝(*1)の名称も澄の序文に始めて見えるもので,これも胡伝(*2)がようやく重視されるようになった証である。しかし皐は四伝を並列しているものの,胡伝の偏見や過激な部分については是正したところが多い。澄の序文に「経文の解釈を読めば,四伝の是非は言葉を費やすまでもなく明白であり,専門家の名のふさわしいものである」とあるのは,確かに公平な論評である。(*3)

皐の自序を読むと,「〔定例として〕十六例を決めたが,すべて程子の『春秋伝』を宗旨とした」とあり,また程子の指摘する「春秋の微細な文字遣いや隠された意図といったものは,各々にふさわしい書き方がされている。だから意図するところは異なるのに文字遣いが同じである場合もあれば,同じ事柄であるのに文字遣いが異なる場合もある。これらはよくよく調べて各々の意味するところを考えねばならず,定例にこだわってはならぬ」(*4)に言及し,さらに「春秋を学ぶものは,程子の『春秋伝』を熟読玩味しなければならぬ」とも言うが,絶えて一字も安国に言及がない。これはその師良鈞の学問が程子を宗旨としていたものの,程子の『春秋伝』は未完成であり,また胡伝は当代好評を博していたために,〔やむを得ず胡伝を〕三伝と並列したものであろう。本書全文から判断すれば,本書の宗旨は概ね明らかにし得るが,明代の学者のように胡伝を経文の如く重んじたものとは全く異なるものである。

『四庫全書総目提要』巻28



(*1)四伝:春秋三伝+胡安国『春秋伝』のこと。
(*2)胡伝:胡安国の『春秋伝』を略して胡伝とよぶ。左氏伝を左伝とよぶのと同じ。以下,適宜略称を用いる。
(*3)呉澄の序文は『呉文正文集』巻20春秋集傳釋義序に見えるが,通志堂本『釋義大成』には見えない。ただし『経義考』には兪皐の自序とともに引用されている。なお呉澄の序文,兪皐の自序ともに,四庫提要に引かれた文は原文の意訳。
(*4)程頤『春秋伝』の自序に見える言葉。義例をある程度重んじつつ,融通の利く春秋解釈を目指したもの。

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