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四庫提要(春秋類3)050

追記(2009/03/15):以下の翻訳はこちらのページ(別館:公孫樹内)に訳し直しました。

呉澄『春秋纂言』12巻『総例』7巻

○両淮塩政採進本

元の呉澄の撰。澄には『易纂言』があり,既に登録してある。本書は諸学者の解釈を掻い摘み,まま自身の意見を加え,その是非を論断したものである。冒頭に『総例』があり,経文を七綱八十一目に分類している。その中の天道と人紀は澄の創建である。他の吉・凶・軍・賓・嘉の五例は,宋の張大亨の『春秋五礼例宗』と類似しており,これを踏襲したものの如くである。しかし澄は前人の書を襲う人間ではない。そもそも澄の学問は金鶏と新安を兼ねているが(*1),大亨の学問は蘇氏を宗としている。澄は他学派ゆえに大亨の書を見ておらず,そのため〔大亨に〕暗合しながら,それを知らなかったのであろう。しかし分析は大亨に比べてより厳密になっている。

〔本書は〕経文の様式を勝手に改め,経の闕文についても方空の記号を補っており(*2),経解の体裁として適切とは言えない。しかし澄は他の経書に対してもみな改訂の手を加えており,春秋だけのことではない。本書の読者は長所を取って短所を棄てればよいのである。

〔本書は〕明の嘉靖年間に嘉興府知府の蔣若愚が刊行したことがあり,そのときは湛若水が序文を書いた。しかし歳月久しくして散佚し,世上に出回ることもほとんどなくなった。王士禎の『居易録』には「その書を見たことがない」といい,また「朱検討(*4)が呉郡の陸医士其清(*5)の家で見たことがある」とある。このため朱彝尊の『経義考』には〔本書を〕現存とみなしているが,これでも一度見たきりである。この刊本は両淮地区から探し出されたものだが,恐らくは陸氏の本を写したものであろう。久しく世に出回らなかったものが現れたのである。宝とすべき書物であることは言うまでもない。

『四庫全書総目提要』巻28



(*1)金鶏は陸九淵の,新安は朱熹の学派を指す。蘇氏は蘇軾のこと。
(*2)闕文とおぼしき箇所に□の記号を書き込むことを指す。
(*3)『居易録』巻13に「呉草廬于諸經皆有『纂言』,詩獨無之。『禮纂言』予家舊有刊本,『易纂言』康熙丙辰得之京師,亦刊本也。『書纂言』寫本,己巳冬初入都,借之黄虞稷兪邰。獨未見春秋耳。朱檢討云:曾從呉郡陸醫其清家藏書見之。」とある。
(*4)朱彝尊のこと。
(*5)清の蔵書家である陸其清のこと。

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