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四庫提要(春秋類3)054

追記(2009/03/15):以下の翻訳はこちらのページ(別館:公孫樹内)に訳し直しました。

程端学『春秋或問』10巻

○浙江范懋柱家天一閣蔵本

元の程端学の撰。端学は『春秋本義』をまとめた後,また諸説の長短を列挙し,取捨の意図を明示すべく本書を著した。蓋し『本義』とともに読まるべきものであろう。

本書中最大の間違いは,周は夏正を用いたとする学説を固守したことにある。(*1)〔端学〕論述を繰り返し,一万余言に及んでいるが,一つとして正当なものがない。甚だしくは隠公元年に即位を書さぬ理由を説明して,「〔隠公の〕即位は前年十一月にあったはずである。だから正月には〔即位を〕書かなかったのだ」と言って,正月は改めても月は改めなかったことの証拠としている。(*2)その固陋なること全く弁解の余地がない。

しかしその他の論説はかえって『本義』に勝るものがある。そもそも『本義』は孫復の学説に順っており,まず根本が間違っていたのである。だから一事ごとに必ず経文を穿鑿し,聖人の貶なしたところを追求している。経文に貶なしたところが見あたらなければ,必ず別の事柄や人間を引き寄せて罪に当て,結局は支離滅裂に陥り,往々にして経義と相違を生むに至っている。本書は諸家の学説を引いて反駁を加えており,三伝を疑い過ぎた点は否めないが,宋代諸学者の支離滅裂な学説や牽強付会の論述に対しては一転して批判を加えている。ならば『本義』の間違いは,〔先学の〕誤謬を取り除いた後,みずから誤謬を生み出したことにある。本書に見える駁正が全て不当だと言うわけではないのである。短所を棄てて長所を取ればよく,軽々しく捨て去ってよいものではない。

『四庫全書総目提要』巻28



(*1)胡安國の以夏時冠周月説に類似した学説。あるいは胡安國のこの学説を発展(改悪?)させたもの。
(*2)そもそも夏時説そのものがややこしい学説なのだが,陳傅良や程端學の夏時説解釈はより一層複雑になっている。ここでは,周正は夏正よりも二ヶ月早いわけだから,夏正の十一月が周正の正月にあたる。随って,隠公は夏正の十一月に即位したはずである。だから夏正の正月には即位が書かれていないというのである。あるいは逆に,これが成り立つならば,周王朝のやり方では,夏正十一月を正月とするが,それは「みなしている」だけで,実際に夏正十一月を正月,夏正十二月を二月というように月の記述そのものを改めたわけではなかったのだ,ということにもなる。......とまあこういう意味になる。じゃあ桓公以下はなんで正月に即位してるんだ?と当然思うが,それには別に弁解の方法もあるというのである。

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