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四庫提要(春秋類3)066

追記(2009/03/15):以下の翻訳はこちらのページ(別館:公孫樹内)に訳し直しました。

石光霽『春秋鉤元』4巻

○浙江呉玉墀家蔵本

明の石光霽の撰。光霽,字は仲濂,泰州の人。張以寧の弟子。洪武十三年に科挙(*1)に合格して国子監学正となり,春秋博士に抜擢された。『明史』文苑伝(張以寧)に附伝がある。史書には「元朝の官僚で明に投降したものの中,危素と以寧は最も著名であった。素は歴史に長じ,以寧は経学に深かった。素の著した『宋史稿』と『元史稿』はみな散佚したが,以寧の春秋学はついに世に行われた。門人の石光霽が『春秋鉤元』を作った云云」とある。ならば本書は以寧の学を伝えたものと言えるだろう。(*2)

本書の主旨は,張大亨・呉澄の目的と同じく,春秋の書法を五礼に配当したものである。概ね〔春秋は〕礼から外れたものを記し,それによって褒貶を現したものであるとの考えに立っている。また参考として『周礼』の経・注を用いて吉・凶・軍・賓・嘉の五礼の条目を詳述している。また五礼によって総括しきれないもの,例えば年月日時や名称・爵号といった類は,別に雑書法なる項目を作り,本書の冒頭に附している。あらゆる書法に対して,諸学説を集めているが,より緊要なものを大綱にまとめ,その詳細を論じたものを小目にまとめている。主要書目は左伝・公羊・穀梁・胡氏・張氏であるが,不十分なところがあれば啖氏や趙氏などの諸学説を集め,自分の意見によって総括し,適切な解答を導いている。(*3)本書に「張氏」と記されるものは,以寧のことである。以寧の『春秋胡伝辨疑』は散佚してしまった。しかし光霽はよく以寧の学説を伝え,かつ本書に以寧の発言を多く引用している。これによって,いまなお〔失われた〕以寧の学説の梗概を知ることができる。

本書冒頭に序文があるが(*4),撰者の名氏は書かれていない。そこには「啖氏と趙氏の『纂例』は経に詳しく伝に粗く,『纂疏』と『会通』は伝に詳しく経に粗い。本書は両者の過不足を適切に処理している」とある。その称賛は確かに正しい。

朱彝尊の『経義考』は〔本書を〕四巻とする。この本は不分巻である。鈔写した者が〔巻数を〕合わせたのであろうか。この度は彝尊に従い,四巻に分けて収録することにした。

『四庫全書総目提要』巻28



(*1)科挙:明経科。
(*2)提要本文は「則此書猶以寧之傳也」とあり,分かり難い文章だが,『明史』には「能傳以寧之學」とある。
(*3)以上,提要に見える本書の内容説明は,本書の凡例を意訳したのみである。随って,提要の翻訳し難い部分は,凡例によって補った。
(*4)原文「前有序文一篇」であるから,提要執筆者の見たテキストには序文があったようである。しかし四庫本および芸文印書館印行の『春秋書法鉤元』には序文がない。(ただし石光霽の自序はある)『経義考』巻199には亡名氏の序文があり,提要所引の序文と同様の文章が引用されている。

(*)本書は『春秋書法鉤玄』『春秋書法鉤元』とも呼ばれる。

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