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四庫提要(春秋類3)068~085

四庫提要(春秋類3)068~085

068童品『春秋経伝辨疑』1巻(内府蔵本)
069湛若水『春秋正伝』37巻(礼部尚書曹秀先家蔵本)
070陸粲『左伝附註』5巻(浙江巡撫採進本)
071陸粲『春秋胡氏伝辨疑』2巻(江蘇巡撫採進本)
072熊過『春秋明志録』12巻(浙江呉玉墀家蔵本)
073高拱『春秋正旨』1巻(安徽巡撫採進本)
074王樵『春秋輯伝』13巻『春秋凡例』2巻(直隷総督採進本)
075徐学謨『春秋億』6巻(江蘇巡撫採進本)
076姜宝『春秋事義全考』16巻(浙江巡撫採進本)
077傅遜『左伝属事』20巻(浙江巡撫採進本)
078袁仁『春秋胡伝考誤』1巻(通行本)
079馮時可『左氏釈』2巻(江蘇巡撫採進本)
080楊于庭『春秋質疑』12巻(安徽巡撫採進本)
081高攀龍『春秋孔義』12巻(浙江汪啓淑家蔵本)
082卓爾康『春秋辨義』39巻(浙江巡撫採進本)
083朱朝瑛『読春秋略記』10巻(両江総督採進本)
084王介之『春秋四伝質』2巻(湖南巡撫採進本)
085王道焜・趙如源同編『左伝杜林合注』50巻(左都御史崔王階進本)

以上,四庫全書所収の明朝の春秋経解。大全以降,明朝の春秋学に見るべきものはないとされている。確かにそうだろう。もちろん中には面白い発言をする人間もいるが,概して宋元の学者を超えるものではなく,独創性があるでもない。ただ現在からみれば「古い書物」というだけの価値にとどまる。古ければなんでも価値があり,古いものはなんで残すべきだとでも思わない限り,取り立てて価値を感じない書物の集まりである。

むかし曾鞏は『戦国策』を校訂したとき,それが害悪ある書物であっても滅ぼすべきでなく,むしろ本文を後世に残し,その害悪ある所以を読書人に正しく示すことが必要だと言った。しかし南宋の秦檜はじしんに関わる記録を全て廃棄させ,かくして現代に至るまで南宋初期に不明の時間を作らせた。

確かに曾鞏の発言は立派であるが,もし北宋の段階で『戦国策』を握りつぶしてしまえば,永遠にそれは伝わらず,後世のものは知りたくとも知り得ぬものになったであろう。秦檜は後世に悪評を蒙っても,その実際を覆い隠すことには成功したのである。

明の学問を葬り去りたければ,その本文を残し,その害悪ある所以を直書するよりは,善悪の判断の根拠たる事柄そのものを抹殺するに若くはない。もちろん明の経解がちまたに氾濫するというあり得ぬ事態が生じれば,それは曾鞏の如く,害悪ある所以を直書するの必要を感じるのであろうが,氾濫はおろか殆ど知られておらぬ状態であれば,むしろ無視するのが最も有効な杜閉の方法のはずである。

四庫官が明人を貶めるべく,その書目を存目に列したことは,当時の権宜としては快ならしむるものであったかも知れぬが,その名を残したこと,むしろ四庫官のために惜しまざるを得ない。

――沈黙は金なり。ただ己の金にあらざるのみ。

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かつては春秋学・宋代史・南学(秦山関係)関係の記事を中心に書いていました。最近は開店休業状態で、数ヶ月おきに思いついたことを書いてます。

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