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四庫提要(春秋存目・宋元03)

追記(2009/03/15):以下の翻訳はこちらのページ(別館:公孫樹内)に訳し直しました。

李石『左氏君子例』1巻『詩如例』1巻『詩補遺』1巻

○内府蔵本

宋の李石の撰。石には『方舟易学』があり,既に『提要』に収録した。

さて春秋左氏伝には「君子曰」の文字が多い。林栗は劉歆が増加したと指摘するが,もとより根拠のない学説である(栗の学説は『経義考』に引用を見る)(*1)。これに対して石はこう考えた。――左氏伝には「君子曰」というものもあれば,「仲尼」「孔子曰」というものもある。これらはいずれも後学に褒貶の大法や聖人作経の宗旨を示したものであるから,それをまとめて「例」としたのである,と。君子例は全七十三条,さらに聖人の言葉三十二条を付している。ただし両者とも経文の解釈には及んでいない(*2)。

また左氏伝には詩経の引用を見るが,現在の詩経学説と異なるところがある。そこで〔左氏伝〕所載の一篇一句を蒐集して,その意味を明らかにし,〔詩経学の宗旨とされる〕断章取義の主旨を探った。全一百六十八条,これを『詩如例』と名付けた。さらに左氏伝所載の筮詞や歌謠の三十八事を集め,これを『詩補遺』と名付けた(*3)。ただし経文の解釈に優れたところはない(*4)。

〔いずれも優れた書物ではないが,〕南北両宋は春秋学上に於いて三伝排撃の時代にありながら,石は世の流行に背を向けて古代の学問に精を出していた。このことだけは敬意を表してよいであろう。

もともと本書は『方舟集』に収録されていたが,それを石の門人の劉伯熊が一編にまとめて『左氏諸例』と名付けたものである。随って〔『左氏諸例』は〕石の原著の名称ではない。この度の編集では,各々旧来の書名を加え,本文は『方舟易学』とともに『方舟集』中にもどし,別書として〔『四庫全書』に〕収録することはしなかった(*5)。

『四庫全書総目提要』巻30



(*1)『経義考』巻169(左氏伝)に「林栗曰:左傳凡言君子曰是劉歆之辭(左氏凡そ君子曰と言うは,是れ劉歆の辞)」とある。なお林栗には『左氏経伝集解』33巻なる著書があり(散佚),陳振孫は「其學專主左氏而黜二傳,故為左氏傳解表上之」と指摘する。
(*2)提要の解説は「左氏聖語例」冒頭の按語から取ったもの。「君子例」は左氏伝中の君子曰を集めたもの,「聖語例」は左氏伝中の仲尼曰や孔子曰を集めたもの。また「君子例」および「聖語例」ともに李石じしんの解釈は一切なく,ただ左氏伝から君子曰と仲尼曰などの言葉を集めただけのものである。
(*3)四庫官の見たテキストは各書一巻本だったのだろうが,『方舟集』所収本(下注5を参照)は「左氏君子例」の後に「詩補遺」があり,「左氏詩如例」とは別物となっている。
(*4)左氏詩如例は詩を引いた後,その意味の解釈に及んでいる。
(*5)李石『方舟集』(四庫全書収録)巻21~23の「左氏詩如例」,巻24の「左氏君子例」を指す。また「詩補遺」は「左氏君子例」の後に見える。別に巻20に「左氏卦例」がある。

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