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四庫提要未所収のもの

前回分でようやく唐代中期から元朝までの『四庫提要』春秋類を読み終えた。通して読んだのは久しぶりだが,改めて読み直すと,昔の読み間違いとか勘違いが浮き彫りになって,我ながら学のなさを痛感してしまった。もし私が今後ともこの手の作業を続けるとすれば,恐らくやそのときも今回の翻訳を思い出し,イイ赤っ恥をやらかしたと思うに違いない。

学問は年とともに進歩するという人もいるが,私はそう思わない。できる人間はやはり若くから出来るのだ。継続すれば少しは上達するだろうが,私の現在の成果が,あるいは過去の私の成果が私の能力の全てだと,私は考えている。その程度が私の能力というところなのだろう。嫌なことだが,冷静に鑑みればそうとしか思いようがない。しかも面白いことに,中途半端なわりに,いや中途半端だからこそ,やたらこうして発言してみたくなる。困った性分ではある。

どうでもいいことを書いてしまったが,実は唐代中期から元朝(明朝初期の大全)までの経部春秋類の書籍群で,あらかじめ説明しておくべきものはまだ少し存在する。これは性格的に2種類に分けることができる。第1のものは現存する著作。第2は散佚したが,この時代の書物にしばしば引用を見る学説。これである。

第1のものは,林堯叟の『左伝句讀直解』,胡元質の『左氏摘奇』,程頤の『春秋伝』,劉絢の『春秋通義』,杜諤の『春秋会義』,胡銓の『春秋集善』,楊簡の『慈湖春秋伝』,張洽の『春秋集傳』,李厚の『春秋總要』の9種類。

この中,林堯叟の『直解』は有名ながら未見につき説明できない。胡元質と張洽は阮元に「四庫未収書提要」がある。程頤の『春秋伝』は単行本でないだけで,ふつうに現存する。その弟子劉絢の『通義』は真偽が判断できない。杜諤は別個説明を要する。胡銓と楊簡は中国に現存するらしいが未見につき不詳。李厚は無視してもいいだろう。

第2のものは,盧仝の『摘微』,陳岳の『折衷論』,胡瑗の『口義』(孫覚の『経社要義』),黎の『経解』,陸佃の『後伝』,洪興祖の『本旨』,鄭樵の『春秋伝』,薛季宣の『経解』くらいだろうか。その他,著述の形態は不明だが,石介の『春秋説』,師協の『春秋解』,許翰の『集解』を挙げられる。この中で盧仝の『摘微』,陳岳の『折衷論』は清朝の輯佚書がある。

なぜ第2のものとして上の書目を挙げたかというと,これらは頻度こそ異なるが,いずれも南宋末から明朝初期の学者に利用されたからである。例えば黄震の『黄氏日抄』は30種あまりの学説を引用するが,その中には胡瑗の『口義』(もしくは孫覚の『経社要義』)を引く場合がある。しかし既に『口義』はないのだから,直に学説を確認することはできない。随ってそれらの引用学説(佚文という)は各々引用の形態に即して理解していくことになる。しかし,もし前もってその佚文がどのような性格のものであったか,つまりどのような書物に記されていた学説であったのかを知り得るならば,孤立した佚文の解釈に数段の精確さを与えることになりはしないか。そこに佚書の性格を調べる意味が生まれるのである。

とはいえ,上にあげた全てを説明する必要もなく,また説明するにはあまりに煩瑣なので,次回からは全く私の個人的な判断で,第1の中から胡元質の『左氏摘奇』,程頤の『春秋伝』,杜諤の『春秋会義』,張洽の『春秋集傳』を,第2の中から盧仝の『摘微』,陳岳の『折衷論』,胡瑗の『口義』(孫覚の『経社要義』),師協の『春秋解』,許翰の『集解』を,そして劉絢の春秋著作について説明する。

理由らしきほどのものはないが,現存するもので説明可能なものはしておくべきだろうし,散佚した書物の中,頻繁に佚文が存在し,しかもある程度説明しておく必要を感じるのは上の範囲のもののような気がするからである。

というわけで,今しばらく経部春秋類の解題が続く。

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かつては春秋学・宋代史・南学(秦山関係)関係の記事を中心に書いていました。最近は開店休業状態で、数ヶ月おきに思いついたことを書いてます。

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