スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

最近ふと

追記(2010/02/06):全面改訂。

土佐国の地方誌に『南路志』というものがある。実のところ私は最近この書の存在を知った。以下、それについてのトホホな話だが、ご存じの人には常識に属すことなので読み飛ばしてもらいたい(と言われなくても読まれはしないと思うが)。


個人的な興味から土佐国の資料を探していたところ、『土佐国群書類従』と『南路志』の書名がよく目に付いた、そこで何か知らん便利なものだろうかと思って調べてみたところ、高知県立図書館が『土佐国群書類従』と『南路志』の整理本を出版しているらしい。図書館の方で案内文もちゃんと作っている。私はいままで何度か住所を変えているが、どこもここもこれほど大規模な郷土の書物を出版していたところはなかったので、高知県のレベルの高さ(?)には少しばかり感動してしまった。まぁ、どうやって採算を取っているのかは、すこぶる疑問ではあるのだが。

私の必要部分は、『土佐國群書類従』は未刊行部分、『南路志』の方は在庫切れで、当然ながら購入できなかった(そもそも値段が高くて在庫があっても買わなかったと思うけど)。そこで近くの図書館の蔵書を調べたところ、両書とも本体はなかったものの、『南路志:闔國之部』(高知県文教協会,1959年)というのが見つかった。はて?これはなにかね?

『南路志』というのは、上に書いたように、土佐国の地方誌で、土佐各地の名産や地形、碑銘を収録するほか、土佐国に伝わる著名な文章を抜萃引用したもので、資料集成のような書物である。書物全体は闔国・年譜・附録・拾遺の四部からなり、それぞれに価値ある資料を含んでいる。しかし基本的に本書は地方誌であり、同書中もっとも重要なのは、地方誌の部分、すなわち闔國之部とよばれる篇になる。

というわけで『南路志』は高知県の歴史を研究するにはすこぶる重要な書物なのだが、遺憾なことに原本は戦災で焼失してしまった。ところが敗戦後に『南路志』の一部が抄写されていたのが発見され、篤志家がそれをもとに整理復刻したのが、上の『南路志:闔國之部』なる書名をもつ書物だった。闔國之部とは、いうまでもなく地方誌の部分で、『南路志』の中核部分にあたる。

だから『南路志』原本の喪失したいま、『南路志:闔國之部』はその面影を伝える重要な文献だったのだが、その後になって内閣文庫等に『南路志』原本の抄写本が残されているのが分かり、他の文献をつきあわせて、可能な限り原本『南路志』を復元整理したのが、現在(といっても一部は在庫切れだが)高知県立図書館から出版されている『南路志』だ。

現行の『南路志』と『南路志:闔國之部』を比較すると、『南路志:闔國之部』は『南路志』闔國之部の全てを網羅したものではなく、今となっては史料的価値は落ちてしまう。だから『南路志』を使う人は、たとえ闔國之部だけであっても、『南路志:闔國之部』ではなく、現行の『南路志』を使いましょう。

と、それだけの話だったりする。

スポンサーサイト

テーマ : 読書メモ
ジャンル : 本・雑誌

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
プロフィール

awatan

Author:awatan
HN:江藤清通
かつては春秋学・宋代史・南学(秦山関係)関係の記事を中心に書いていました。最近は開店休業状態で、数ヶ月おきに思いついたことを書いてます。

自営サイト
最近の記事
カテゴリー
リンク集
全記事表示

全ての記事を表示する

FC2カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。