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疑問というほどでもないが

疑問なのだが,『宋名臣言行録』は人気なのだろうか。たまにこのブログにも翻訳書を探しての訪問があるようだから,前に全訳本は無いよという記事を書いたことがある。あまり気にしていなかったので,どこかの大学でゼミのテキストにしてるのかな?くらいの気持ちだったのだが,暇なときに訪問者の場所を調べてみたところ,地域的にばらつきがあった。だとすればゼミのテキストではあるまい。

私からすれば,あの本は決して面白い本ではないし,タメには全くならない本だと思うのだが,なにかしら気になる人はいるらしい。でもなかなか訳本は出ないと思う。いや,明日には広告が出ているかも知れないから保証はできないが,あの本は翻訳が面倒なのだ。

まずあれは研究の原典にならない。言行録を作るには,言行録のもとになる資料が必要になる。宋代の場合,その資料のかなりの部分が残っている。従って研究者とすれば,名臣言行録は索引代わりにこそなれ,原典にはならない。必要語句を探して名臣言行録に行き着けば,その引用書物の名前を確認し,その書物に直にあたることになる。こういう便利本にとどまる名臣言行録を,本気になって訳す気にはなれない。

次に『名臣言行録』はそれほど短い本ではない。普通の単行本2冊に収まるかどうか。戦前岩波で途中まで出た『五朝名臣言行録』に比べて,後半の『三朝名臣言行録』は2倍弱ある。そんな大部な物を翻訳するとなると,かなりの力量と精神力が必要になる。特に精神力は絶対必要だが,通常それを支えるのは価値(熱意)であり収入のはずだ。しかし価値は上の通りあまりない。では収入だろうか。なるほど有名だし人気があるし金になるというなら,やりたい人はいるだろうが,有名だし人気はそこそこでも金になりそうにない翻訳をする人はあまりいない。

それでも戦前は漢文的教養がそれなりに広まっていたが,現在となってはあえて本書を世に送る必要も感じないだろうから,なおさら翻訳はなかなか出ないのではないかと思う。

とはいえ世間は狭いようで広いから,もしかすると金にもならず意味もなくともやりたい人はいるかもしれない。不況の昨今だから,そういう人でも出ないとなかなかこの手の翻訳は普通の人の目に入らないのかもしれない。だからどーしたという気もするが。

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テーマ : 読書メモ
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かつては春秋学・宋代史・南学(秦山関係)関係の記事を中心に書いていました。最近は開店休業状態で、数ヶ月おきに思いついたことを書いてます。

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