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谷真潮の著作

(追記:2010/02/06)
南学・秦山・崎門関係の記事はサイトの方に改訂整理しました。以下は拍手をいただいた記念に残しておきますが、間違いは訂正していません。
(以上、追記終わり)

前に真潮の一文を書き下してみたが、真潮や垣守の研究はなかなか難しい。なにせ彼らの思想を知ろうにも、著作一覧がないので、なにをどう読めばよいのか、見当がつかないからだ。

真潮の場合、『日本教育史資料』に「『神道本論』『論聖』『論仏』『旧事記偽撰考』『御国の学び』『孫子秘解』『北渓雑集』『北渓文集』『案内独見書辨』『流沢遺事』」と著作が列挙されている他、『南学史』などにも見える。しかしこれ以外の著作も目録に見えるようなので、少し調べてみた。

利用した目録は『山内文庫目録』と『古典籍総合目録』だが、後者に関してはネット上の「日本古典籍総合目録」の方が完備しているらしいので、そちらを利用した。*印は『国学者伝記集成』『大日本歌書綜覧』に見えるもので、現存の確認できないもの。本来は所蔵場所や板本を記すべきだが、前者はいろいろ権利関係がややこしいのと、後者は未見のものが多いので、それらは省略した。排列はばらばら。また吉崎久『谷秦山・垣守・真潮関係書目録』は真潮の跋文を多くおさめており便利である。

1.現存著作(歌集を除く)
  • 『秦山書目』3巻・・・・・・吉崎久『秦山書目』に復刻。
  • 『磯辺のもくつ』
  • 『河社』2巻
  • 『考説姓氏辨』『附説』1冊 『姓氏』 『姓氏考』・・・・・・不詳。
  • 『ざるべし』・・・・・・『日本随筆大成』第2期所収。
  • 『東鑑抜書』1巻
  • 『言上秘記』1巻
  • 『流沢遺事』1巻・・・・・・『土佐国群書類従』など。
  • 『西浦廻見日記』1巻・・・・・・浦奉行時の日記。
  • 『三記』1巻・・・・・・墓誌銘など三種。
  • 『木津屋風聞記』1巻
  • 『辨家内独見書後書』1巻
  • 『講学日黄簿』1巻
  • 北渓集』3巻・・・・・・『土佐国群書類従』詩筆部など。板本により異同あり。「神道本論」を収める。
  • 『北渓随筆』1巻・・・・・・『土佐国群書類従』雑など。
  • 『御国学(御国乃学)』1巻
  • 『論仏・論聖』1巻・・・・・・『論仏』は『北渓集』(『土佐国群書類従』)所収。ただし板本により異同あり。

2.歌集
  • 『賀歌集(草稿)』(真潮等)
  • 『袖貝の歌』1巻
  • 『北渓雑稿』1巻
  • 『北渓撰集』・・・・・・『土佐国群書類従』歌文部所収。
  • 『北渓先生歌集』1冊
  • 『北渓先生龢歌』・・・・・・『土佐国群書類従』歌文部所収。
  • 『天王祭詩歌集』1巻(真潮等)
  • 『詩歌集』1巻(真潮等)
  • 『挙準先生歌集』1巻
  • 『北渓先生雑集』1巻

3.現存の有無不明
*『東路日記』1巻 (大日本歌書綜覧)
*『帰郷日記』1巻(大日本歌書綜覧)
*『旧事記偽撰抄』(国学者伝記集成)
*『孫子秘解』(国学者伝記集成)
*『東武旅日記』(大日本歌書綜覧)
*『半山の草分』(大日本歌書綜覧)
*『北溟雑纂』(国学者伝記集成)
*『北渓遺稿』(大日本歌書綜覧)
*『北渓詠草三十首』(大日本歌書綜覧)

『北渓集』に収められた著作も多く、重要な著作はかなり残っている。しかし『旧事記偽撰考』『孫子秘解』が散佚したらしいのは残念なことで、もし両著が残っておれば、真潮の解釈手法や論断の根拠などを簡単に明らかにできただろう。

しかし真潮も垣守も、祖父の秦山と異なり刊本がない。活字で出版されたものは、『ざるべし』や『土佐国群書類従』『南路志』など、近代になってからである。真潮は当時かなり有名な(土佐国で)学者だったはずなのだが、刊本がないのは土佐国の特徴なのか、それとも江戸時代の儒臣の性格なのか、よく分からない。

もっとも、刊本がなく、写本だけで著作が伝えられたとすると少し厄介である。秦山の思想を考える場合、とりあえず刊本(およびそれに準ずる『秦山集』)を軸にすればよい。なにせ本の出版は値が張るから、ちょっとした内容の著作など出版できないからだ。だから刊本で秦山の骨格を明らかにし、その後で箚記や雑記を利用して肉付けすることも可能だ。

ところが著作が全て写本となると、それがどういう性質のものなのか、一々確認する必要が生まれる。もしかすると、聞き分けのない弟子のために、ざわざわ執筆したものかも知れないからだ。一流の学者の著作だから、写本とはいえ、なおざりに書いたものではなかろうが、おのずと刊本と異なる扱いを要求される。

垣守は真潮の伝記に、真潮はその「行状」に学問の骨格が示されている。それらが本当に正しいかどうかは別だが、他に寄る辺もないので、とりあえずそこらを手がかりに、真潮の思想を調べざるを得ないだろう。ということで、『北渓集』と『北渓随筆』が終わったので、次は別の主要著書を読む予定です。

*あとで発見があれば追加します。

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コメント失礼いたします。自分も秦山の人柄、業績にひかれ、卒論は秦山を伝記的に研究したものを提出しました。もう大学は卒業し、仕事をしながら趣味で研究を続けています。「秦山集を読む」や文献をまとめておられるページは大変参考になりました。ここにお礼を申し上げます。
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かつては春秋学・宋代史・南学(秦山関係)関係の記事を中心に書いていました。最近は開店休業状態で、数ヶ月おきに思いついたことを書いてます。

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