スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

古めかしい最近の本

図書館で見つけたのだが、横田達雄氏の『武市半平太と土佐勤王党』という本が出版されていたらしい。奥付から察するに、平成19年の私家版で、土佐史談会(高知県にある学会......だったと思う)がバックアップしたらしい。東京龍馬会のサイトに紹介ページに以下のような一文が掲載されている。

併せて、大正末期以後今日までの"八十年間"、我が国の"維新史研究者"なるものの、"マルクスかぶれ"、"言葉遊び""ごっこ遊び"、又、"文章読解力"の"低劣"は"世界"に恥づべき"醜態"なるを"快摘"す。


文中の""は本文のママ。というか、この短い文章と全く同じように、本文も""が溢れている。本書は最近の本なので、紙質はいいし、活字も綺麗なのだが、なんというか遠い時代を思わせる書き方にちょっとびっくりしてしまった。確かに戦前にはこの種の本はたくさんあった。

著者氏の言うところによると、アカデミックな世界で活躍している学者は、まともに資料を読んでいないので、自身が資料を精読して、武市半平太の歴史的価値を明らかにしようとしたらしい。たぶん著者氏は学者の妄説の原因をマルクス主義に見たのだろう。

正直なところ、私はマルクス主義が原因というには、既にマルクス主義は死に絶えていると思う。恐らく著者氏が苛立ちを覚えたアカデミックな学者の妄説の原因は、マルクス主義というよりは、日本の歴史学のもっと奥深いところにある何か、――いままで幾多の人間がそれに挑戦して、結局解明できなかったところの、日本と西洋を分ける或るモノだと思う。

それは日本人に深く根を降ろしたものだけに、他者の存在を前提としない日本人には自明であり、他者の存在を認識した日本人にしてようやく発見し得るものであり、しかもその差異を認識した日本人は、他者の存在を前提としない日本人にとって異質であるが故に、如何なる説明も虚偽に見えるという厄介な、そういう或るモノではないだろうか。

それはそうと、なんでも著者氏は当用漢字はけしからんと云うのだが、氏のいう当用漢字とは何を指してのことだろうか?当用漢字という四文字そのものが、すでに当用漢字であることは、漢の旧字体が通常より一画多いことからも分かる。本書一冊、当用漢字が夥しく存在したように思うのだが、どうなんだろう。それとも当用漢字以外の漢字も使うという意味だったのだろうか?それなら確かにいわゆる外字がふんだんに使われていた。

しかし敢えて当たり前のことを云っておくと、漢字は外来語であって、日本語ではない。日本の伝統がどうのと話しを進めるなら、当然ながら漢字の是非が問題となるだろうし、そうなれば当用漢字どころの騒ぎではない。

スポンサーサイト

テーマ : 読書メモ
ジャンル : 本・雑誌

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
プロフィール

awatan

Author:awatan
HN:江藤清通
かつては春秋学・宋代史・南学(秦山関係)関係の記事を中心に書いていました。最近は開店休業状態で、数ヶ月おきに思いついたことを書いてます。

自営サイト
最近の記事
カテゴリー
リンク集
全記事表示

全ての記事を表示する

FC2カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。