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申不害『申子』

法家の中、韓非子には『韓非子』があり、商鞅にも曲がりなりに『商君書』が残っているが、申不害の著書『申子』は失われた。『韓非子』を見る限り、私の嗜好からすると、商鞅よりも申不害の方に共感するので、著書が散佚してしまったのは残念なことだ。そこでむかし『申子』の佚文を蒐集すべく、『玉函山房輯佚書』を参考に資料を集め直したことがある。結果的にほとんどの佚文が『玉函山房輯佚書』に収録されていたのだが、以下はそのとき集めた資料。

(A)人物
申不害者,京人也,故鄭之賤臣。學術以干韓昭侯,昭侯用為相。内脩政教,外應諸侯,十五年。終申子之身,國治兵彊,無侵韓者。申子之學本於黄老而主刑名。著書二篇,號曰『申子』。(『史記』列伝)

(B)書目
『申子』六篇(『漢書』芸文志)
『申子』三巻(『意林』巻2)
梁有『申子』三巻,韓相申不害撰,亡。(『隋書』経籍志『商君書』注)
『申子』三巻(『旧唐書』経籍志、『唐書』芸文志)
『申子』三巻也(『史記正義』所引阮孝緒『七略』)
『崇文總目』『館閣書目』皆缺(『漢書芸文志考証』申子六篇)

(C)解題
○劉向『別録』:
申子名不害,河東人。鄭時賤臣,挾術以干韓昭侯,秦兵不敢至。學本黄老,急刻無恩,非覇王之事。(『意林』巻2申子)
今民間所有上下二篇,中書六篇,皆合二篇,已備,過於太史公所記也。(『史記集解』所引)
申子學號刑名。刑名者,以名責實,尊君卑臣,崇上抑下。宣帝好觀其君臣篇。(『漢書』元帝紀注)

○司馬貞『史記索隱』:
今人間有上下二篇,又有中書六篇,其篇中之言,皆合上下二篇,是書已備,過於太史公所記也。

(D)本文
大體
夫一婦擅夫,衆婦皆亂,一臣專君,羣臣皆蔽,故妬妻不難破家也,亂臣不難破國也。(*1)是以明君使其臣並進輻湊,莫得專君。今人君之所以高為城郭而謹門閭之閉者,為冦戎盗賊之至也。今夫弑君而取國者,非必踰城郭之險而犯門閭之閉也。蔽君之明,塞君之聽,奪之政而專其令,有其民而取其國矣。今使烏獲・彭祖負千鈞之重而懷琬琰之美,令孟賁・成荊帶干將之劔,衛之行乎幽道,則盗猶偸之矣。今人君之力非賢乎烏獲・彭祖,而勇非賢乎孟賁・成荊也。其所守者,非恃琬琰之美,千金之重也,而欲勿失,其可得耶。明君如身,臣如手,君若號,臣如響。君設其本,臣操其末,君治其要,臣行其詳,君操其柄,臣事其常。為人臣者,操契以責其名。名者,天地之綱,聖人之符。張天地之綱,用聖人之符,則萬物之情無所逃之矣。故善為主者,倚於愚,立於不盈,設於不敢,藏於無事,竄端匿疏,示天下無為。是以近者親之,遠者懷之。示人有餘者,人奪之。示人不足者,人與之。剛者折,危者覆,動者搖,靜者安。名自正也,事自定也。是以有道者,自名而正之,隨事而定之也。鼓不與於五音而為五音主。(*2)有道者,不為五官之事而為治主。君知其道也,官人知其事也。十言十當,百為百當者,人臣之事,非君人之道也。昔者堯之治天下也以名,其名正則天下治。桀之治天下也亦以名,其名倚而天下亂。是以聖人貴名之正也。主處其大,臣處其細。以其名聽之,以其名視之,以其名命之。鏡設精無為,而美惡自備(*3),衡設平無為,而輕重自得。凡因之道身與公無事,無事而天下自極也。(『群書治要』申子不害)
(*1)妒妻不難破家、亂臣不難破國。一妻擅夫、衆妻皆亂。一臣專君、羣臣皆蔽。(『意林』巻2)
(*2)鼓不預五音而為五音主。(『意林』巻2申子)
(*3)豈不知鏡設精無為,而美惡自備矣。(『初學記』巻25器用部鏡)


○明君治國,三寸之機運而天下定,方寸之謀正而天下治,一言正而天下定,一言倚而天下靡。(『太平御覽』巻390)
三寸之篋運而天下定,六寸之基正而天下治。(『意林』巻2申子)
明君治國而晦,晦而行,行而止。止故一言正而天下定,一言倚而天下靡。(『太平御覽』巻624)
一言正,天下定。一言倚,天下靡。(『藝文類聚』巻19人部言語)
一言倚而天下靡。(『北堂書鈔』巻29政術部君道)

○智均不相使,力均不相勝。(『意林』巻2申子。『太平御覽』巻432)

○百世有聖人,猶隨踵而生。千里有賢人,是比肩而立也。
百世有聖人,猶隨踵。千里有賢人,是比肩。(『意林』巻2申子)
百世有聖人,猶隨踵而生。(『太平御覽』巻401所引商子)
千里有賢者,是比肩而立。(『太平御覽』巻402)
千里有賢者,是比肩而立也。(『藝文類聚』巻20人部賢)

○君子之所以尊者令。令不行,是無君也.故明君愼令。(『藝文類聚』巻54刑法部刑法)
君之所以尊者令。令之不行,是無君也。故明君愼之。(『北堂書鈔』巻45刑法部律令)

○天道無私,是以恒正。天道常正,是以清明。(『北堂書鈔』巻149天部天)
天道無私,是以恒正。天常正,是以清明。(『藝文類聚』巻1天部天。『太平御覽』巻2)

○地道不作,是以常靜,帝是以正方,舉事為之,乃有恒常之靜。(『北堂書鈔』巻157地理部地)

○君必有明法正義,若懸權衡以稱輕重,所以一羣臣也。(『藝文類聚』巻54刑法部刑法。『文選』巻20、顏延年應詔讌曲水作詩。『太平御覽』巻638)
君必有明法正義,若權衡以稱輕重,所以一羣臣也。(『文選』巻39、鄒陽上書呉王)

○堯之治也,善明法察令而已。聖君任法而不任智,任數而不任説。黄帝之治天下,置法而不變,使民而安不安,樂其法也。(『藝文類聚』巻54刑法部刑法)

○昔七十九代之君,法制不一,號令不同,然而倶王天下,何也。必當國富而粟多也。(『藝文類聚』巻54刑法部刑法)

○款言無成(『史記』巻130太史公自序)

○四海之内,六合之間,曰奚貴,曰貴土,土食之本也。(『太平御覽』巻37)

○『韓非子』
申子曰:「上明見,人備之。其不明見,人惑之。其知見,人惑之。不知見,人匿之。其無欲見,人司之。其有欲見,人餌之。故曰:吾無從知之,惟無為可以規之。」(『韓非子』外儲説右上)
申子曰:「慎而言也,人且知女。慎而行也,人且隨女。而有知見也,人且匿女。而無知見也,人且意女。女有知也,人且臧女。女無知也,人且行女。故曰:惟無為可以規之。」(『韓非子』外儲説右上)
申子曰:「獨視者謂明,獨聽者謂聰。能獨斷者,故可以為天下主。」(『韓非子』外儲説右上)
韓昭侯謂申子曰:「法度甚易行也。」申子曰:「法者見功而與賞,因能而受官。今君設法度而聽左右之請,此所以難行也。」昭侯曰:「吾自今以來知行法矣,寡人奚聽矣。」一日,申子請仕其從兄官,昭侯曰:「非所學於子也。聽子之謁敗子之道乎。亡其用子之謁。」申子辟舍請罪。(『韓非子』外儲説左上)
申子曰:「失之數而求之信則疑矣。」(『韓非子』難三)
申子曰:「治不踰官,雖知不言。」(『韓非子』難三。定法。)

(E)論評
○『荀子』解蔽
昔賓孟之蔽者,亂家是也。墨子蔽於用而不知文,宋子蔽於欲而不知得,慎子蔽於法而不知賢,申子蔽於埶而不知知,惠子蔽於辭而不知實,莊子蔽於天而不知人。

○『韓非子』定法
問者曰:「申不害・公孫鞅,此二家之言孰急於國。」應之曰:「是不可程也。人不食,十日則死。大寒之隆,不衣亦死。謂之衣食孰急於人,則是不可一無也,皆養生之具也。今申不害言術,而公孫鞅為法。術者,因任而授官,循名而責實,操殺生之柄,課羣臣之能者也,此人主之所執也。法者,憲令著於官府,刑罰必於民心,賞存乎慎法,而罰加乎姦令者也,此臣之所師也。君無術則弊於上,臣無法則亂於下,此不可一無,皆帝王之具也。」
問者曰:「徒術而無法,徒法而無術,其不可何哉。」對曰:「申不害,韓昭侯之佐也。韓者,晉之別國也。晉之故法未息,而韓之新法又生。先君之令未收,而後君之令又下。申不害不擅其法,不一其憲令則姦多。故利在故法前令則道之,利在新法後令則道之。利在故新相反,前後相勃,則申不害雖十使昭侯用術,而姦臣猶有所譎其辭矣。故託万乘之勁韓,七十年而不至於霸王者,雖用術於上,法不勤飾於官之患也。公孫鞅之治秦也,設告相坐而責其實,連什伍而同其罪,賞厚而信,刑重而必。是以其民用力勞而不休,逐敵危而不卻,故其國富而兵強。然而無術以知姦,則以其富強也資人臣而已矣。及孝公,商君死,惠王即位,秦法未敗也,而張儀以秦殉韓・魏。惠王死,武王即位,甘茂以秦殉周。武王死,昭襄王即位,穰侯越韓・魏而東攻齊,五年而秦不益尺土之地,乃城其陶邑之封。應侯攻韓八年,成其汝南之封。自是以來,諸用秦者,皆應・穰之類也。故戰勝則大臣尊,益地則私封立,主無術以知姦也。商君雖十飾其法,人臣反用其資。故乘強秦之資,數十年而不至於帝王者,法不勤飾於官,主無術於上之患也。」
問者曰:「主用申子之術,而官行商君之法,可乎。」對曰:「申子未盡於法也。申子言:『治不踰官,雖知弗言。』『治不踰官』,謂之守職也可。『知而弗言』,是不謂過也。人主以一國目視,故視莫明焉。以一國耳聽,故聽莫聰焉。今知而弗言,則人主尚安假借矣。商君之法曰:『斬一首者爵一級,欲為官者為五十石之官。斬二首者爵二級,欲為官者為百石之官。』官爵之遷與斬首之功相稱也。今有法曰:『斬首者令為醫匠。』則屋不成而病不已。夫匠者手巧也,而醫者齊藥也。而以斬首之功為之,則不當其能。今治官者,智能也。今斬首者,勇力之所加也。以勇力之所加而治智能之官,是以斬首之功為醫匠也。故曰:『二子之於法術,皆未盡善也。』」


*『玉函山房輯佚書』には、これ以外に『呂氏春秋』 審分覽、薛據『孔子集語』から佚文を蒐集しているが、前者は申不害の事跡に属し、後者は信頼できないので、ここでは省略する。

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かつては春秋学・宋代史・南学(秦山関係)関係の記事を中心に書いていました。最近は開店休業状態で、数ヶ月おきに思いついたことを書いてます。

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