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孔子家語

孔子家語 (岩波文庫)孔子家語 (岩波文庫)
(1933/10)
藤原 正

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移動中に岩文の孔子家語(藤原正氏の訳)を読んだ。正直言って、これはないな。いや、決して悪くはない。でも、これではダメだな。

ググってみたら岩文のを読んで苦心した人がいるようだが、当たり前だ。こんなものは大正時代の人間だって読みにくいよ。すらすら読めるとすれば、専門家とか、奇特家とか、そういう変人だけだろう。

岩文の孔子家語は、冒頭の序文と本文第1条目こそ語釈(らしきもの)が付いているが、第2条目からは文字の異同以外に注がほとんどなく、ただ延々と本文の書き下しが並んでいる。孔子家語は漢代以前の古い内容を具えたものだから、言葉が難しい。読み下しと若干の補足だけでは、とても健全な紳士淑女には読めないだろう。

同時に持ち歩いていた岩文の『孔子伝』(史記の孔子世家と孔子弟子列伝、および史記の他の孔子関係部分をあわせたもの)は、同じ著者の手になるものだが、こちらはそこそこ細かい注が付いていて、古いのが好きな人なら読める程度のものになっていた。孔子家語は手を抜いたのだろうか。

もう一つ、訳者はやたらと蜀本をもちいて文字を校正しているけど、それなら最初から由来の正しい蜀本をテキストにしたらいいんじゃないのか?なぜわざわざ四部叢刊本をテキストにするのだ。意味がわからん。

ああ、でも悪いものじゃない。読みやすくなるように作られているようには感じる。でも、書き下しだけで極力注釈を省いたものは、やはり読みにくい。


ちなみに「孔子家語」とは、「孔子学派の言葉」の意で、『論語』の残り糟として知られている。昔から物議を醸した書物ではあるが、孔子とその弟子の言動を知るには便利な本であることに相違なく、私は『論語』よりも『家語』の方が読んでいて楽しい。――孔子は権力を握ったとたんニヤニヤしだしたとか、反対派を粛清したとか、自分さえ正しければ、うまくいかないのは全部世の中のせいだとか、人類の師たる聖人孔子を学ぼうとする人間にはもってこいの内容と言えるだろう。

なんとなく読んでしまったので、感想がてら書いておく。みなさまもぜひ本書をひもといて聖人孔子の素晴らしさと岩文の不親切さを堪能していただきたい。

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