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雑感

詳説 政治・経済研究を読んでいると、私が高校生のころ習ったのとずいぶん変わっているのに驚かされる。まぁ変化している部分は、自分が直接見聞した時代のものではあるが、権利の名前だの、三位一体の改革だの、変化に応じて書き足さないといけない教科書も大変だな。

今日も気になった点をいくつか。

1.政治経済の経済が「政治的なもの」に偏りすぎている。もっと非政治的、非法律的な方面の経済活動を詳述すべきじゃないのか。今の私にはもう高校時分のことを思い出せないが、こういう政治に偏ったものを読むより、マンキューのでも読んだ方が高校生にもためになるように思うが......これは既に年をくった人間だから思うことなのかもしれないな。

2.主に憲法9条について、解釈改憲が行われているとかなんとか。まぁ、ふつうの人は誰でもそう思っているだろう。この問題に対して、この本は是非の判断をさけているが、全体的に批判がましいような感じがした。自衛隊違憲の判例をやたらと挙げているところからも、おおよそ察知できる。

人によっていろいろだけど、米軍が日本にいることに嫌悪感を抱く人に、では自衛隊を軍にして正式に日本軍を作り、膨大な金をかけて軍備を増強して国防に当たらせては(というより自分たちが当たることになるのだけど)どうか、というと、大抵反対される。では米軍に出て行ってもらい、日本は丸腰でいいのかというと、それも困るという。私も軍隊に行きたいわけではないが、軍隊は必要だが軍隊は不必要というのでは、さすがに滅茶苦茶と言わざるを得ない。

政治の問題は頭のよさだけでは解決できないものなので、ややもすれば社会科教師の誤った考えに誘導されがちだが(大半の社会科教師に悪意はあるまいが)、こういう重要な問題は高校生のうちからもっと議論されてしかるべきだろう。私のときもそうだったが、やたらと社会科教師が戦争反対や9条絶対視を押しつけていたのを思い出す。

教師としては美辞を口にしたつもりかも知れないが、不都合な真実に目を背けて生きることを、子供達に押しつけてはいけない。私がいうのもおこがましいが、世の中は不都合な真実にあふれており、その不都合な真実から比較的有効で有益な選択をどのようにしていくか、またそのような判断をどのようにして手に入れていくか、そういうことを身に付けるようにしないといけない。

是非をつけられない問題を扱うのは、受験の関係で難しいのだろうけど、頭のいい大人が考えても結論のでない問題なのだから、どちらの考えも正当に成り立つ場合があることを、もっと教えてやるべきだと思わないでもない。一番危険なのは、臭い物に蓋をしただけで、台風が通り過ぎるのを待つ態度だ。

その意味からすると、賛否両論の併記もせず、ただ単に事柄だけを列挙したこの参考書は、あまり役に立たない。研究者相手ならそれでいいが、高校生相手なのだから、全く異なった考えや価値観の下、どれほど議論に隔たりが生じ、結論が変わるものか、アレを取ればコレが駄目、でもアレもコレも大事、というようなことまで、もっともっと政治の本質について考える機会を与える作り方をして欲しいものだ。

3.解釈改憲はともかく、憲法の幸福追求権を根拠にプライバシーの権利やアクセス権が主張されているという。人権拡充に対して「いいこと」らしく記述されている。なるほどこれらは改憲とまでは言えないだろう。しかし拡大解釈の謗りはまぬかれない。拡大解釈がいかに危険なものであるかは、常識をもった大人であれば分かるはずだ。強いて言わずとも、解釈改憲だって、一種の拡大解釈なのだ。

これら幸福追求権の拡大解釈だけではないが、もはや敗戦後に作られた現行憲法には覆いがたい穴が生じている。戦争放棄をどうするかとか、前文をどうするかとか、あるいは象徴天皇制をどうするかという大きい問題はもちろん重要なことだが、それよりももっと身近なことが憲法上に明記されていないのはゆゆしき問題だ。おおきい問題は棚上げして、まずはこういう身近なものを憲法に盛り込むべく憲法を改正していくことは重要なことではないか。

と、おそらく憲法改正に反対の立場であろう社会科の参考書を読んで、むしろ逆に憲法を改正すべきではないかと思ったというお話でした。


(※)日本の経済学は、むかし政治経済学と言われていたくらいだから、経済が政治に偏っていてもおかしくない。が、そういう歴史的な問題は全くどうでもいい。重要なのは、これからの人に対する有効性であって、歴史的にやむを得ないというような、これまでの人のプライドではない。念のため。

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