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思い出した中国書

1.廿五史述要

世界書局の『中國學術名著』の一つに『廿五史述要』というのがある。世界書局編輯部編とあって、各篇の著者名は記入されていない。台湾の本だからか、むかし台湾から出版された二十四史(中華書局のと同じもの)の冒頭にこの述要の一部が引用されていた。

本書は古い本だから(手持ちの本は1966年出版)、既に常識に属することや必ずしも正当と思われない表現などがある。しかし全体的にうまくまとまっているので、私のように学の浅い人間は、専門外の正史の概説書としてたまに読むことがある。

本書の内容は以下の目次の通り。八割が本編(したがって二十五史の解説)に充てられてます。

叙例
第1編 前論(中国之史籍/史体/紀伝体史)
第2編 本論(史記~明史+新元史、清史稿)……全体の八割
第3編 後論(歴代統系与史書之関係表/二十五史修撰表/同例目表/同帝紀表/同各表表/同各志表/同類伝表)
附録(正史源流急就篇/史家宗旨不同論/論史学分廿家為諸子之流派/主要参考書)

上に書いたように本書はなかなかコンパクトにまとまっているのだが、遺憾なことに印刷が杜撰で、誤植も散見する。目次をめくったら正史の第1番に「史」とあって驚かされるのはいいとして、誰某は『某々』を著したとかいう誰某が消えていたり(印刷のときに別の紙がはさまったのだろう)、一行の高さは頁によってバラバラで本文と注文の異同がわかりにくいしと、印刷上の問題は非常に多い。

しかしむかしの中華書局の解説のように思想的偏向がなく、淡々と各正史の特徴や問題点(杜撰な点という意味で、貧農史観に立っていない!!とかいう意味ではない)が書いてあるだけなので、読者としては気軽に読めるという利点はある。やはり書物の解説というのは、ただ事柄だけを書くべきであって、歴史的意味とか価値とか、そういうものは書かないでもらいたいものだ。

ということで、興味のある人はぜひ古本屋で入手してください。新品で手に入るかどうかは存じ上げませんし調べる気もありません。


2.閲微草堂筆記

先週の書虫に出ていたけど、閲微草堂筆記が出版されるみたいね。もちろん今まで数限りなく出版されてきたけど、大昔の影印本や断句本を除き、なぜか片っ端から簡体字だった。今回は上海古籍から中国古典文学叢書の一環として発売されるみたいだから、通常通りいけば、恐らく縦書き繁体字だろう。論文はどうでもいいけど、資料となると何故か横書きは読みにくく感じる。

いちおう今年の4月に出版されたことになっているけど、書虫にまだ写真が出ていないので、近刊扱いなのかもしれない。私は買わないけど、早く出版されて、本書が多くの人に読まれんことを欲する。というか、原文で読むのは面倒くさいので、だれか全訳してくれないかな~


3.雑記

全訳してくれないかな~で思い出した。私はそういう人頼みが嫌いで(というか無意味だと思っていたので)、むかし高畠素之の評論が気に入ったときには自分で集めてタイプしてサイトで公開し(諸般の事情で閉鎖した)、春秋五論は素晴らしいと思ったので自分で訳してみたのだった。

その後、高畠素之の著作が出版されたという噂は聞かないし、春秋五論が翻訳されたという話しも聞かないから、結局は自分が知りたかったのだから自分でやって正解だったのだろう。たまに研究書の「あとがき」なんかを見ていると、他分野の人の研究を期待するみたいな文句を目にするが、これは全くの間違いで、そんな骨を誰が折るんだか。

自分が必要だと思ったら、自分でしないと駄目なのだ。他人が自分の為に研究しくれないかと考える人間は、まず自分が他人の為に労をとったかどうかを考えてみればいい。そういう「あとがき」を書いている人間の論文を読む限り、およそ他分野の研究者の為に研究した形跡は皆無だ。やはり他人に頼るべきではない。自分だけで出来ないときは、キッパリ諦めるべきだ。

ちなみにわたしが高畠さんのタイプを公開したり春秋五論を出したりするのは、世のため人のために立ちたいという気持ちからというよりは、単純に自己顕示欲が強いだけだろうと思っている。まぁそれだけでもなかろうが、冷静に考えてみると、やはりそれが一番強い。もちろん悪いことだとは全く思っていない。

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かつては春秋学・宋代史・南学(秦山関係)関係の記事を中心に書いていました。最近は開店休業状態で、数ヶ月おきに思いついたことを書いてます。

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