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やはり次は

孔子家語だな。今日は夕方から家語を調べはじめ、気が付いたら夜中になってた。まぁ調べたといってもネットではあるが、中国はネットに高度(?)な学術論文を載せているので、参考になることが多い。日本の研究はネットに皆無といっていいので、はなから無視することにした。それはともかく、ネットとはいえまともに読んでいると時間もかかるし、まだ調べ終わっていないのだが、うまくまとめた記事があったので、それなりに全体的な流れは了解できたつもりでいる。

しっかし孔子家語は本物だとか言っているのは、どこかの出土資料万歳集団しかいないと思っていたけど、あんがい違うのね。これは勉強になった。まあね、孔子家語はもともと説苑とかなり類似しているから、出土資料と説苑が一致すれば、それだけで孔子家語と一致する可能性は高くなる。だからもし孔子家語が説苑から取材しているのなら、当然孔子家語と出土資料との関係は、孔子家語の真偽を論断するだけの根拠になり得ない。

とはいえ、実際問題、孔子家語の偽作説に論理的な穴があるのも明らかではある。それもそのはず、竹書紀年のように釈文が宋代まで残っていたものはともかく、偽作説の大半は「~のはずだ」とか「論理的に考えて~とならなければならない」という、文献に徴すことのできないものを根拠にしているからだ。もっと言えば、文献に徴し得ないから、論争が起こるのだ。

だからかつての疑古派よろしく古いものはとりあえず疑っておこうとかいう精神がなくなって、古いのはとりあえず信頼できるんじゃね?みたいなノリになれば、そんな穴だらけの偽作説なんかアッサリ無視されるのは当然といえば当然だろう。昨今、疑古派が劣勢なのは言うに及ばず、したがって孔子家語もそれにつられて本物だと論じられるのも、決しておかしいことではない。

かくいう私は孔子家語が本物か否か、よく分からない。偽作だというには余りにも根拠がなく、またあまりに古すぎる。古い時代は何があってもおかしくない。しかしかといって本物かと言われると、偽作説を支持する人々の気持ちも分からないではない。孔子家語は本物というには、あまりにも他書(しかも有名な古典)との重複が多すぎる。重複が多いから偽書だというのは、逆にそれらの有名古典が孔子家語から取材したとも言えるので、結局そこで証明されるのは資料の関係性だけであり、真偽の問題ではなくなる。ただそれにしても重複が多すぎる。

偽書説が穴だらけであり、はじめから家語を疑ってかかっていたというのは、確かにある。しかし疑われるだけのものがあるのもまた否定しがたいのであり、それを偽書説の穴をついて否定してみただけでは、到底偽書説の疑惑はぬぐいされない。もっとも偽書であることを証明することは時に可能であるが、本物たることを証明することは、事実上不可能なので、ここらは何とも難しいところではある。

だからこの種の史料操作で明らかになることは、某々の資料と孔子家語との関係性だけであり、その関係性を高めることでどれほど蓋然性を確かなものにすることはできても、某は是であるとか、某は非であるとかいう、決定的な論断には結びつかない。下手をすれば、関係性をひっくり返して、真反対の学説が同時に資料的根拠と論理的整合性をもって成立することすら充分ありえるだろう。


......いつになく真面目に書いてしまったが、別に孔子家語の真偽などどうでもいいといえばどうでもいい。キャッチフレーズに、孔子家語は本物だ、現在の中国の学界(本場の学界)も大勢は本物説に傾いている、家語は孔子学派の重要文献だ、孔子のことをしるには家語が大事だ、といっておけば「孔子」を売り込もうという人々の商売に影響は出ないし、そもそも家語がはやるか否かは、ことさら本物か偽物かとは関係ないことではあるのだ。歴史の真実など知る必要はどこにもない。政治的な問題でもない限り、嘘を本当だと思っていても何も困らない。

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かつては春秋学・宋代史・南学(秦山関係)関係の記事を中心に書いていました。最近は開店休業状態で、数ヶ月おきに思いついたことを書いてます。

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