スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

雑記

1.古典翻訳の終焉
2.もういちど読む~
3.ちくまの
4.漢書

(※)以下本文

1.古典翻訳の終焉

日本人を定義するのは難しいが、今後、日本語よりも英語や中国語を母語とする日本人が増えたとしてもおかしくない。そういう人からすれば、古典の翻訳を日本語でしてくれても、全くありがたみがないわけだから、日本語を必要としない日本人が大半を占めるようになれば、ようやく古典翻訳の必要性も終わりを迎えるのだろう。そして近代以後、大変な努力をして作り上げた訳本の山も、文字どおりゴミクズになるのだろう。

とはいえ、思想とか哲学とかいうのは、言語に根ざすものだ。だから言語がいい加減な状態であれば、哲学的に深い思索を文字に現すのは難しい。もちろん哲学者や思想家として振る舞うことは可能だろうし、そのエッセンスを文字に残すこともできるだろう。しかし英語も日本語も中国語も中途半端では、深い思索を文字に残すのは難しい。文字そのものが流動的なところでは、高度な書物は生み出せない。

もっとも人間は哲学のために生きているわけではないから、哲学がなくてもそれはそれで構わない。もっと後の時代、人間がまだ生きておれば、いまの時代を指さして「明朝みたいだな」とか言って譏るのが関の山だ。

2.もういちど読む山川世界史

今日も少し読んだ。近代終わりまで(第一次世界大戦の前)。まぁ普通だったけど、ちょっとおもしろいのを見つけた。

第1:169頁。東方問題(オスマン帝国崩壊のこと)のコラム。「このように列強側の利害がたがいに行動を制約しあったため、オスマン帝国の衰退はおくれ、東方問題を1世紀にわたって長引かせる結果となった。」

第2:170頁。クリミア戦争。「この戦争でオーストリアはロシアと離反し、このウイーン体制以来の両反動勢力の分裂が、ドイツ・イタリアの統一に有利な情勢をつくった。」

第3:196頁。洋務運動。「しかし数千年来の中国の伝統は強く、洋務運動ではただ技術面だけが近代化されようとしたにすぎなかった。」

時代の流行が変わったのだろうか、それとも学者が勝手に進歩してしまったのか、少しずつ私が高校時代に習ったのと違うことが書かれていた。しかしさして驚くようなことはなかった。フランス革命というフランス国内の問題について、やたらと人類の一大事件のように吹聴して、「革命」に対立した人々を反動反動と連呼していたのは傑作だったが、気になったのはそのくらいか。上の3点を除いて。

まず東方問題。この部分を執筆した人は、「オスマン帝国、はやく亡びろよボケが、欧州が大変じゃねえか」と言いたかったのだろうか。だとすればこの執筆者は明らかにオスマン帝国の運命を軽視ないし蔑視している。

次にクリミア戦争。「両反動勢力」って何?いつから歴史家は勝手に国家の優劣を付けるようになったの?それとも共産主義者や社会主義者が教科書を書いたのですか?アホですか?主義の宣伝は学者を辞めてからやれ。

最後に洋務運動。これは昔からいわれているが、日本も西欧の技術だけをまねただけだが「近代化」した。しかし中国は「近代化」しなかった。むかしから言われていることだから、ここは改善して欲しいところ。

近代化の問題はむつかしいが............というよりも、学者が自分の勝手な夢想を捨てきれないので、混乱したままになっている。民主主義とか人権とか、そういうものを近代から外して、ただ軍事や経済部門の高度な技術化だとしておけば、別段むつかしいことはないように思う。

むかしから人間は変わっていない。大昔だって、近代以後の軍隊や通信技術、運輸技術があれば、近代と同じ事をしただろう。ただ始皇帝も、王安石も、だれもかれもそういう技術を持っていなかっただけではないか。

そうそうこの本はずいぶんオスマン帝国を馬鹿にしてるが、トルコではオスマン帝国の歴史をどう教えているのだろう。トルコ本国とイギリスあたりの意見を聞いてみたい。ああ、別にイギリスが好きな分けじゃないよ。ただこの手の問題に冷静な意見を求めるのであれば、イギリスの学者の論評は参考になるだろうと思っただけだ。自国の学者の公平性を信用できないというのは、遺憾なことではある。

3.ちくまの

シリーズに数学なんとかというのがある。『ガロア理論入門』とか出してる青い表紙の文庫本。出版がはじまったときは何と無謀なと思ったけど、内心ではああいうシリーズの出ることを羨ましく思ったものだ。遺憾なことに(いまはもう遺憾ではないが)、中国の思想関係は高い本が多くて、ああいう気の利いたものがあまり出版されていない。

でも、あのシリーズはステキだと思うけど、あんな本を出していて会社大丈夫かいな。バカ売れするとは思えないが............それとも案外というべきか需要はあるのだろうか?

4.漢書

さっきwikiの『漢書』を見たら、思いのほか部分訳があって驚いた。あんなに訳があったんだね。全訳は上のちくまから文庫で出ている(出ていた)。『史記』と併称される『漢書』だから、もっと評価されてしかるべきだけど、どうも『史記』の方に分があるような気がする。

日本にはいろいろな翻訳wikiがありながら、こういうのはないのね。それとも『三国志』以外は誰も興味がないのかもしれない。それも分からないではないな。三国志が好きな人は三国志が好きなのだろうから、別段、中国の歴史が好きというわけでもないのだろう。ちょうどドイツの軍事マニアがドイツや中欧の歴史に興味がないよううに。

でもまあ、歴史は戦争がないとおもしろくないから、『漢書』は控えめになるのかもしれないと思いつつ、んじゃ『北史』はどうかねと思ったら、そういうことをしようとした人はいるみたいだな。勇ましい......そういえば『北史』には五胡十六国が入ってない。となると、やはり『晉書』の載記(紀だっけか)からなのか。

とはいえ翻訳は面倒だし時間はかかるし金にならないし、なかなかやる人はいない。それにググってみたら楽して宿題調べようみたいなのが多いし、それならもう翻訳は出さない方がいいのかもしれない。一般人から要望が多数舞い込むようになれば、はじめて考えればいいさ。誰も忘れた数十年後に完成するだろうから。


今、「面倒だしな」とタイプして変換したら、ATOK先生は「面倒だ支那」と変換してくれた。ATOKは本来の辞書に入っていない漢字熟語を使うととたんに能率が落ちる。単語登録するとき、漢字熟語の利用範囲とか文脈中での場所とか、そういうのを設定できないと、こういう意味不明な変換が大量にでてきて困る。「~していい」とかタイプしたら「~し丁謂」と変換されたり。

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
プロフィール

awatan

Author:awatan
HN:江藤清通
かつては春秋学・宋代史・南学(秦山関係)関係の記事を中心に書いていました。最近は開店休業状態で、数ヶ月おきに思いついたことを書いてます。

自営サイト
最近の記事
カテゴリー
リンク集
全記事表示

全ての記事を表示する

FC2カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。