スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

宋史全文を読んでいたら

きのう寝る前に宋史全文をぱらぱらめくってみた。まあ5,6ページで寝てしまったんだけど。

恥ずかしながら始めて気がついた。劉安世は宣和七年の六月に死んでいたのか。この年の十二月には金軍が開封府を圍むので、北宋滅亡の半年~一年ほど前に死んだことになる。劉安世は元祐党人のなかで最も長生きだと言われてるが、さもあらん、こんな時期まで生きている人もめずらしい。後輩の陳瓘の方が先に死んだくらいだものな。もっとも陳瓘が死んだのも前年の二月だけど。

もう一つ発見があった。コウモリやろうで有名な楊畏は、章惇にとりいるために「元祐の時代にも朝廷で働いてましたけど、心は煕寧元豊にありました」とかしょーもないことを発言したらしいのだが、事の経緯がよく分からなかった。本伝の書き方も不明朗なところがある。これについて宋史全文に次のような記事が載っていた。

己未、楊畏為吏部侍郎。初、呂大防既超遷畏、畏知章惇必復用。有張擴者、惇妻之姪也。畏見擴致意云:「畏度事勢輕重、因呂大防・蘇轍以逐劉摯・梁輩、又欲并逐大防及轍、而二人覺之、遽罷畏言職。畏迹在元祐、心在煕寧・元豐。首為公闢路者。」及惇赴召、百官郊迎、畏獨請間、語多斥大防。有直省官聞之、歎曰:「楊侍郎前日謟事呂相公、亦如今日見章相公也。」惇信其言、故又遷畏吏部。(紹聖元年五月)

そうだったんだね。

もう一つ、宋史全文には縦書き簡体字の校点本が出版されている。この校点本、四庫本を底本にしたのは構わないが、なぜか他の版本と校勘していない。参考に長編とか宋會要とかを用いたに過ぎないらしい(前言による)。

宋史全文は明刊本が宋史資料萃編に入っている。ただこれはあまりにボロボロなので、闕文が多すぎて底本にはしにくいが、校本には必須だろう。中国には他の明刊本もありそうだし、だとすればボロボロ本じゃなくて、美しい本もあるかもしれない。校点本がなぜそれらを一切無視したのか不思議だ。つてがなかったのかね?だとすれば大いに納得できる。

それはそうと宋史全文(北宋の部分)なんて何の役にも立たないと思っていたけど、通して読んでみると案外いろいろと勉強になった。って、まぁいまさら勉強して何の役に立つんだという話ではあるんだが。

以下、関係ない記事。

ウィキを支えた無償投稿カルチャーの落日

当たり前のことを偉そうに書かんでもええのにな。ネットだけが特別ではあるませんぜ。

どんなものでも価値のある情報は買うか盗むかしないと手に入らない。どこのだれが金になる情報をただで流すんだよ。それ相当の見返りがあってはじめて人間は努力する。もちろんごくごく限られた特定多数の人間のために無償の労働をすることはあるけど、それは文字通り特定の人間のためだ。

他人の善意が悪いとは思わないし、そういう善意に助けられたなら素直に感謝すればいいのだが、そんなものを当然だと思ってはならない。いや、そういう善意は危険なんだ。恩恵は文字通り与える人間の一方的な行為だから、与えるも自由なら与えぬのもまた自由だ。恩恵なくして生きていけないというなら、その人はその瞬間に恩恵を与える人間に生殺与奪の権を握られたことになる。

ま、どーでもいいけど。ネットの世界が普通の世界と同じになるだけで、人間にできないことができるはずもあるまい。

何気なく調べてたら熊本崇氏が論文を書いてた。「宋元祐の吏額房」(『東洋史研究』69、2010年)。毎年1,2本論文を出してたのが去年はなかったので気になっていたが、今年はふつうに出るのね。ファンの一人としては是非とも読まねばなるまい。って、三ヶ月ほど出たことに気づかなかったんだけど。......人の論文のこと書いていいのだろうかと思ったが、ネットで公表してるくらいだからかまうまい。ああ、念のため書いとくけど、私は熊本先生に会ったことないよ。見たこともない。単に論文が好きなだけ。

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: No title

コメントありがとうございます。
気づきませんで返信おくれました。すみません。

そうですね。ネットだからと騒ぎすぎるから特別なもののように思うのであって、栄枯盛衰は世の常ですものね。

恩恵はその通りだと思います。相互の利益が公正なものである限り、恩恵は等価交換ですから相互に問題ないのでしょうが、往々にして不等価交換になるので厄介ですね。不等価交換こそが世の真理だといえばそれまでですが、そこで簡単に納得できないのもまた人間でしょうか。
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
プロフィール

awatan

Author:awatan
HN:江藤清通
かつては春秋学・宋代史・南学(秦山関係)関係の記事を中心に書いていました。最近は開店休業状態で、数ヶ月おきに思いついたことを書いてます。

自営サイト
最近の記事
カテゴリー
リンク集
全記事表示

全ての記事を表示する

FC2カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。