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経学変古時代(春秋/経学歴史)

経学変古時代(つづき)

  春秋の公羊と穀梁は,漢の後已に絶学と成る。左氏は事を伝えて義を伝えず,後人専ら左氏を習い,春秋一経に於いて,多く其の解を得ず。
  王安石は春秋を以て断爛朝報と為して之を廃し,後世此を以て安石を病む。安石の〈韓求仁の春秋を問うに答う〉に曰く,「此の経は他経に比べて尤も難し。蓋し三伝は信ずるに足らざるなり。」尹和靖云う,「介甫の春秋を解さざるは,其の之を難きを以てなり。春秋を廃するは其の意に非ず。」尹氏の説に拠らば,安石は本と春秋を廃するを欲せざる者なり。然れども三伝を信ぜざれば,則ち春秋は已に廃せられたり。若し春秋を以て断爛朝報と為すは,則ち特だ安石のみに是の言あるに非ず,専ら左氏を執り春秋を為む者は皆な此の意あるを免れず。左氏家の「経は旧史を承け,史は赴告を承く」の説を信ずるは,是れ春秋は朝報の如し。公〔羊〕穀〔梁〕家の日月褒貶の例を信ぜず,概して闕文と為せば,是れ春秋は朝報の断爛なる者の如し。
  宋人の春秋を治むる者多けれども,顓門を治めず,皆唐人啖〔助〕・趙〔匡〕・陸〔淳〕の一派を沿う。孫復,孫覚,劉敞,崔子方,葉夢得,呂本中,胡安国,高閌,呂祖謙,程公説,張洽,呂大圭,家鉉翁の如きは,皆その著わるる者なれども,劉敞を以て最も優れたると為し,胡安国もて最も顕わるると為す。
  元と明は胡〔安国〕が『〔春秋〕伝』を用いて士を取れば,之を推すこと太だ高きも,近人又之を詆ること太だ過ぎ,胡が『伝』は卒に廃せり。平心にて論ずれば,胡氏の春秋の大義は孟子に本づき,一字褒貶は公〔羊〕穀〔梁〕に本づき,皆其の非を謂うを得ず。而るも之を求むること深きに過ぎ,勤めて公穀両家の外に出で,鍛錬すること太だ刻にして,多く諷を時事に託するの心を存す。其の書,経筵に奏御せらるれば,原と藉りて以て約を納むべし。但だ尊王攘夷,春秋の大義と雖も,王ならば唯諾趨伏の尊ぶべきに非ず,夷ならば一身両臂の攘すべきに非ず。胡が『伝』は首めに権臣を戒め,芸祖の黄袍を懲艾するの非を習い,高宗の諸将を猜疑するの意を啓けり。王夫子の岳侯の死を謂うに,其の説は庸主の心に中るを先にすと。此れ其の立言の大失,経を解するの明らかならざるに由るなり。
  崔子方の『春秋本例』は,日月を以て本と為し,宋儒の中に在りては,独り能く公穀を推すも,作る所の『経解』は,並びに三伝を糾し,未だ専らには一家を主とする能わず。朱子云う,「春秋の義例,自ら心に信ずる能わず。故に未だ嘗て敢えては一辞を措かず。」此れ朱子の矜慎の処なるも,亦未だ専らには公穀を信ずる能わざるに由るが故に,義例に依拠する所無きなり。


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かつては春秋学・宋代史・南学(秦山関係)関係の記事を中心に書いていました。最近は開店休業状態で、数ヶ月おきに思いついたことを書いてます。

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